債券は下落、株価上昇転換や円安進行で売り-TBは連日マイナス金利

債券相場は下落。株式相場が上昇に 転じたことや外国為替市場での円安進行を背景に売りが優勢となった。 国庫短期証券(TB)市場では連日、マイナス金利で取引された。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比2銭安の145円78銭 で開始した。午前10時10分に日銀が買いオペを通知すると5銭高の145 円85銭まで上昇したが、午後に株高・円安が進むと一時25銭安まで下 落。終値は15銭安の145円65銭だった。

RBS証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、午前は決算期 末接近で需要が強いなど国内の需給要因で買いが優勢だったが、午後は 外部環境の悪化を背景に弱含みになっていると説明した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは午後に入ってようやく前日比0.5ベーシスポ イント(bp)低い0.525%で開始。次第に水準を切り上げ、一時は0.545% と7月16日以来の高水準を付けた。その後は0.54%で推移した。

20年物の149回債利回りは1.5bp高い1.35%と8月22日以来の水準ま で上昇した。30年物の44回債利回りは1.685%と、新発債としては8 月12日以来の高水準を付けている。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、米欧の金融政策観の変 化を受けて日本から資金が出やすくなっていると指摘。「必ずしも為替 リスクを取る取引だけではない。ドル円のベーシス・スワップがここ一 両日で大幅に悪化している。円安・株高のめどが見えるまでは、仕組債 のヘッジに絡む超長期スワップの払い圧力にも警戒が続く」と言う。

東京株式相場は朝安後に水準を切り上げ、プラスに転じた。 TOPIXは前日比0.6%高の1306.79で引けた。外為市場で円は1ドル =106円56銭と6年ぶりの水準まで下落した。

マイナス金利

短期金融市場ではTBの新発6カ月物478回債利回りが朝方にマイ ナス0.005%で取引された。その後は水準を切り上げ、午後に入る と0.001%とプラスに転じていたが、再びマイナス0.009%に低下した。 TB市場の需給逼迫(ひっぱく)を背景にマイナス金利が続いた。

野村証の松沢氏は、「きのうは日銀がTB買いオペを見送るのでは との見方もあったが、結局実施。一部マイナス金利でTBを受け入れた もよう。追加緩和への伏線と読むのは行き過ぎであるが、少なくともマ イナス金利を受け入れ、緩和姿勢を強調する狙いはあった」と説明し た。これ自体は国債市場にポジティブとしながらも、「長期ゾーンに恩 恵が及ぶかと言えばそうでもない」と言う。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ3本(総額5300億円) の結果によると、残存期間5年超10年以下の応札倍率は3.53倍と前回 の2.50倍から上昇した。一方、10年超25年以下は3.69倍、25年超は3.38 倍と、いずれも前回の4.01倍、4.70倍から低下した。

財務省はあす11日午前、5年利付国債の入札を実施する。発行額は 前回債と同額の2兆7000億円程度。表面利率(クーポン)は前回債と同 水準の0.2%となる見込み。

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