【クレジット市場】邦銀が相次ぎバーゼル3劣後債-低コストで調達

国際的な自己資本規制(バーゼル 3)に適合した円建て劣後債の発行が、三井住友フィナンシャルグルー プや千葉銀行などの邦銀で相次いでいる。機関投資家などの需要が集ま り、低コストで自己資本を蓄積できるためだ。

三井住友Fは5日、バーゼル3劣後債1350億円を発行した。う ち1000億円(期間10年)の対国債スプレッドは31bp(1bp =0.01%)と邦銀で過去最低水準となった。バンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチのデータによると、国内銀行債の平均スプレッ ドは21bp。

バーゼル3劣後債は、新規制に基づき発行体の破綻時の公的負担を 減らすため投資家に元本削減などの負担を求めている。旧型債の資本性 低下を補うため、邦銀では資本に充当できる新型債への借り換えを進め ている。世界ではバーゼル3劣後債の発行が年初から1500億ドル(約15 兆9400億円)に達する勢いにある。

野村証券の魚本敏宏チーフクレジットストラテジストは、「国内社 債市場において魅力的なスプレッドを残す銘柄はかなり限られてきてい る」ことから、バーゼル3劣後債は相対的に人気が高いと指摘。今後に ついては「メガバンクなどがバーゼル3劣後債の発行を増やした場合、 国内投資家による買い向かいが予想され、スプレッドはさらにタイト化 してもおかしくない」と述べた。

三井住友F広報担当の成田知之氏は、今回の発行時期や目的につい て「国内投資家向けIRを通じて旺盛な需要が確認された」とした上 で、「既存劣後債の償還や減価を踏まえ調達した」と述べた。今後につ いては資本構成上、「一定程度必要なため、適宜発行していく」が、現 段階では未定としている。

8月には千葉銀と三井住友トラスト・ホールディングスがとも に300億円を調達、スプレッドはそれぞれ39bp、36bpだった。地銀 で初めて発行した千葉銀・経営企画部財務管理グループの伊藤誠氏は、 「10年の資本が1%を払わないで調達できる環境は後にも先にもないの ではないか」と語った。

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