アップルCEOの経営力、投資家や顧客も納得-新製品に期待

米アップルのティム・クック最高経 営責任者(CEO)が1年前に「iPhone(アイフォーン)」の最 新機種を発表した時よりも、同社をめぐる展望はずっと明るそうだ。

5s」と「5c」発表時、アップルの株価は低迷、市場シェアも 韓国のサムスン電子や中国の小米といった低価格スマホメーカーに奪わ われていた。共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏亡き後、アップルが イノベーション(技術革新)を提供する企業であり続けることができる のかという疑問が広がっていた。

だがその後の1年でアップルの株価は上場来高値を更新。事情を知 る関係者がこれまで明らかにしてきたところによれば、アップルは米国 時間9日、スクリーン画面を大型化したアイフォーンやウエアラブル端 末、モバイル決済機能の採用などを発表する見込みで、期待が高まって いる。著名人のヌード画像がアップルのファイル保存サービス「iCo uld(アイクラウド)」から流出した可能性があると報じられたが、 投資家の熱狂にはほとんど影響していない。

展望が好転した要因は、スマホ業界の変化に加え、クックCEOが アップルをしっかり掌握していると投資家が認識するようになったこと だ。全価格帯で全消費者を満足させるというサムスンの戦略が行き詰り つつあり、同社は勢いを失っているのに対して、高価格帯の機種に集中 するとのアップルの判断が的確なものだとの印象が広がっている。その 上、クックCEOが発表しようとしているのは、新たなカテゴリーや顧 客が待ち焦がれる大型アイフォーンといった投資家が期待していた待望 していた製品だ。

発表会場

調査会社クリエーティブ・ストラテジーズのアナリスト、ティム・ バジャリン氏は、「アップルは世界の頂点に立っている。昨年と今年の 一番の違いはウォール街、それに顧客までもアップルはクックCEOの 会社だという事実を容認していることだ。クックCEOはジョブズ氏の マントを手にしただけじゃなく、前進させることができるということを 立証したのだ」と話す。

クックCEOが選んだ新製品発表会場は象徴的だと同氏は指摘す る。アップル本社があるカリフォルニア州クパチーノ近くの「フリン ト・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ」は、ジョブズ氏 が1984年に「マッキントッシュ」を、98年には「iMac」という同社 の大きな飛躍のきっかけとなったパソコンを発表した場所だからだ。

アップルを成長させ続けるためクックCEOがやるべきことは依然 多い。健康管理や運動量を記録する機能などを備えている公算の大きい ウエアラブル端末の発売やモバイル決済の採用は、ソフトウエアとハー ドウエアを融合し使い勝手の良い製品を生み出すためのアップルの技術 力を試すことになる。スマホやその他のモバイル機器をめぐり、潤沢な 資金を持つサムスンとの競争は引き続き厳しい。

アップルの広報担当者トゥルーディー・ミュラー氏はコメントを控 えている。

原題:Apple’s Cook Shakes Doubters as Stock Surge Greets IPhones: Tech(抜粋)

--取材協力:Jungah Lee、Jason Clenfield.

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