日本株続伸、106円台円安好感し輸出、通信に買い-上値は限定

東京株式相場は続伸。為替市場で1 ドル=106円台まで円安が進み、業績期待の広がりから自動車や機械、 ゴム製品など輸出関連、海運株が高い。ソフトバンクを中心に情報・通 信、保険株も上げた。

半面、海外原油市況の下落が嫌気され、鉱業や石油株は軟調。国内 景気の不透明感から不動産やサービスなど内需関連株も弱く、東証1部 の33業種、騰落銘柄数は値下がりが優勢だった。

TOPIXの終値は前日比0.98ポイント(0.1%)高の1299.62、日 経平均株価は44円4銭(0.3%)高の1万5749円15銭。

朝日ライフアセットマネジメントの藤岡通浩常務執行役員は、「外 国債・外国株投資の増加などから、9月の米連邦公開市場委員会 (FOMC)に向けもう少し円安に進む余地がある」と指摘。海外への 生産移転などで従来ほど円安メリットはないが、円安が定着すれば「来 期業績が見えやすくなる」と話した。

きょうのドル・円相場は、一時1ドル=106円30銭台とおよそ6年 ぶりのドル高・円安水準に振れた。金融市場が米利上げペースを過小評 価しているとの観測、英国からのスコットランド独立の是非を問う住民 投票を18日に控え、逃避需要からのドル買いが先行し、ドル指数が14カ 月ぶりの高値を付けた前日のニューヨーク市場の流れを受け継いだ。き のうの東京株式市場の終値時点は105円10銭。

サンフランシスコ連銀の研究員はリポートで、金融市場全体で見ら れるボラティリティの低さは、投資家が利上げペースの速さを過小評価 していることを示唆している可能性があると指摘。一方、調査会社ユー ガブの世論調査によると、英国からのスコットランド独立に関する賛成 派が反対派をことし初めて上回った。

10%増益に期待感

日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、6月)によると、大企 業・製造業の想定為替レートは100円18銭。SMBCフレンド証券投資 情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「現在4%増が予想されて いる今期利益は10%増に高まる可能性があり、そうなれば、現在のバリ ュエーションでTOPIXは1365、日経平均は1万6500円が一つのめど になる」と言う。

もっとも、朝方の買い一巡後はTOPIX、日経平均とも伸び悩 み。国内総生産(GDP)が下方修正されるなど「日本経済はトーンダ ウンしている。海外要因で朝方に動いた後は、固有の要因から日本株を 買っていく雰囲気ではない」と、ちばぎんアセットマネジメントの奥村 義弘調査部長はみている。きょう午後に発表された8月の消費者態度指 数は、小幅ながらも4カ月ぶりに低下し、消費税増税後の消費者センチ メントの回復が緩慢であることが示された。

東証1部33業種は通信、保険、ゴム、海運、輸送用機器、機械、繊 維、電機、パルプ・紙など14業種が上昇。不動産、鉱業、ガラス・土石 製品、サービス、石油・石炭製品、建設、銀行など19業種は安い。鉱業 など石油関連は、需給悪化懸念による海外原油先物の下落が響いた。

売買代金上位ではソフトバンク、マツダ、富士重工業、クボタ、三 菱電機、市光工業、第一生命保険、日本精工、enishが上昇。半 面、楽天や富士通、三菱地所、積水ハウス、オリエンタルランド、鉄 建、大東建託は下落。東証1部の売買高は18億9690万株、売買代金は1 兆7629億円。値上がり銘柄数は660、値下がりは1017。

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