今年の「50人」にバンカーや投資家-市場を動かす者が世界制する

ヘッジファンド運用者のポール・シ ンガー氏は2001年、自身が不当と考える状況に敢然と立ち向かい、アル ゼンチン政府が求める債務交換に応じて損失を受け入れることを拒否し た。全額回収を目指して闘い続けた同氏には米裁判所も味方し、アルゼ ンチンは14年に再びデフォルト(債務不履行)に追いやられた。

この行動を取った同氏は、ブルームバーグ・マーケッツ誌の「世界 で最も影響力ある50人」の4位に選ばれた。同誌の10月特別号が報じて いる。

当誌が選んだ人々は、国境を越え障害を乗り越えて事を成し遂げ た。ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフリー・イメルト最高経 営責任者(CEO)は自らフランス政府と渡り合い、同国のエンジニア リング大手アルストムの発電事業を買い取る自社案がドイツ・日本連合 の対抗案よりも優れていると納得させた。

アナ・パトリシア・ボティン氏は、スペインのサンタンデール銀行 の英部門の業績を立て直した。これにより、父と祖父、曾祖父の後を引 き継ぎスペイン最大の銀行を率いる未来に一歩近づいた。

50人を選び出すため、当誌は世界中のブルームバーグ・ニュースの 記者らの助けを得て大勢の候補者を拾い出した。1年を通じてブルーム バーグ・マーケッツ誌に掲載してきたランキングや特集記事を参考に、 当誌のエディターが資産運用者、考える人、企業経営者と創業者、バン カー、政策当局者の5つのカテゴリーのそれぞれで10人を選び出した。

過去の業績よりも、彼らが今している仕事に基づいて選んだ。今年 の50人のうち30人近くは新顔だ。今、世界で最も影響力があるこの50人 から目が離せない。

資金運用者

レオン・クーパーマン氏(71):ヘッジファンド会社オメガ・アドバイ ザーズの創業者。ブルームバーグ・マーケッツ誌の大型ヘッジファンド 年次ランキングの上位20位内に入った。

メアリー・アードーズ氏(47):JPモルガン・アセット・マネジメン ト最高経営責任者(CEO)

ラリー・フィンク氏(61):ブラックロックの共同創業者

カール・アイカーン氏(78):アイカーン・エンタープライゼズ会長。 アップルに株主還元拡大を働き掛けた物言う株主。

ヘレナ・モリシー氏(48):ニュートン・インベストメント・マネジメ ントCEO。女性の取締役を増やすため活動。

スティーブン・シュワルツマン氏(67):ブラックストーン・グループ 共同創業者

ポール・シンガー氏(70):エリオット・マネジメントCEO

イングべ・ スリングスタッド氏(51):世界最大の政府系ファンド、 ノルウェーの政府年金基金グローバル(GPFG)を所管するノルウェ ー中銀投資運用部門(NBIM)のCEO。GPFGで昨年80億ド ル(約8400億円)規模だったロシア資産保有を減らす可能性。

ジェフリー・ユーベン氏(53):バリューアクト・キャピタル・マネジ メントCEO

考える人

ティモシー・ガートン・アッシュ氏(59):オックスフォード大学教 授。ロシアのプーチン大統領の主義主張のリスクを指摘。

ジャック・ボグル氏(85):バンガード・グループ創業者。高頻度トレ ーディングを総じてプラスと擁護。

ラエル・ブレイナード氏(52):米連邦準備制度理事会(FRB)理事

サタジット・ダス氏(57):金融リスクに関する著作がある。世界的な 金融緩和の引き揚げや中国経済の不均衡是正の影響を懸念。

チャーミアン・グーチ氏(49):グローバル・ウィットネスの共同創業者

ポール・グレアム氏(49):ベンチャーキャピタル、Yコンビネーター のパートナー。700社以上の新興テクノロジー企業を支援。

チャールズ・グラント氏(55):シンクタンクの欧州改革センター (CER)のエグゼクティブディレクター。欧州連合(EU)発足の理 念に基づきキャメロン英首相に批判的。

キャシー松井氏(49):ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ス トラテジスト。1999年に女性の労働参加をプロモートする「ウーマノミ クス」という造語で新たな概念を提唱。

ジャクリーン・ノボグラッツ氏(53):非営利団体アキュメンの CEO。貧困撲滅に貢献する中小企業へ「忍耐強い」資本を提供

企業経営者・幹部

リナット・アフメトフ氏(47):持ち株会社システム・キャピタル・マ ネジメント創業者。産業帝国を支配するウクライナ一の富豪。

メアリー・バーラ氏(52):ゼネラル・モーターズ(GM)のCEO

ウォーレン・バフェット氏(84):バークシャー・ハサウェイCEO

郭広昌氏(47):復星集団の創業者(47)

ジェフリー・イメルト氏(58):ゼネラル・エレクトリック(GE)の CEO

ジャック・マ(馬雲)氏(49):中国のアリババ・グループ・ホールデ ィングの創業者。米市場最大の新規株式公開(IPO)を準備中。

イーロン・マスク氏(43):電気自動車のテスラ・モーターズの創業 者。時価総額でGMに迫りつつある。

グザビエ・ニール氏(47):仏携帯電話会社イリアッドの創業者。Tモ バイルUSに買収提案。

イゴール・セチン氏(54):ロシア国営石油会社ロスネフチのCEO。 プーチン大統領の側近で米国の制裁対象。

バンカー

アルンダティ・バタチャルヤ氏(58):インドステイト銀行会長

ロイド・ブランクファイン氏(59):ゴールドマン・サックス・グルー プCEO。死ぬまでゴールドマンCEOを務めたいと発言。

アナ・パトリシア・ボティン氏(53):サンタンデールUKのCEO

ジェームズ・ゴーマン氏(56):モルガン・スタンレーCEO。リテー ル証券業務で安定収益のビジネスモデルが奏功し、株価が1年で30%上 昇。

姜建清氏(61):中国工商銀行会長。在任13年で破産に近かった同行を 世界で最も収益力の高い銀行に変貌させた。

ケネス・モーリス氏(56):投資銀行モーリスのCEO。2007年以降で 初の投資銀行IPOを完了。

ジョン・スタンプ氏(60):ウェルズ・ファーゴCEO。

ポール・トーブマン氏(53):助言会社PJTキャピタルの社長。元モ ルガン・スタンレーの投資銀行部門責任者。コムキャストによるタイ ム・ワーナー・ケーブル買収を手掛ける。

アクセル・ウェーバー氏(57):UBS会長。元ドイツ連邦銀行総裁。 タカ派の雄。

政策当局者

プリート・バラーラ氏(45):マンハッタンの米連邦地検検事正。イン サイダー取引捜査でスティーブン・コーエン氏のヘッジファンドを追い 詰める。

ジェーソン・ファーマン氏(44):米経済諮問委員会(CEA)委員長

ベンジャミン・ロースキー氏(44):米ニューヨーク州金融サービス局 の局長

ジョージ・オズボーン氏(43):英財務相。緊縮財政で英経済の成長回 復に成功。

ラグラム・ラジャン氏(51):インド準備銀行総裁。信頼される対イン フレ政策でルピー相場を安定させた。

肖鋼氏(56):中国証券監督管理委員会(証監会)主席。中国企業の IPOで適正な価格設定を促し小口投資家を保護。

ジャネット・イエレン(68):米連邦公開市場委員会(FOMC)議 長。ブルームバーグ・マーケッツ誌の世界投資家調査で67%の支持を得 る。雇用重視の金融政策を説く。

周小川氏(66):中国人民銀行の総裁。中華人民共和国の建国以来で在 任期間が最長の中銀総裁。今は影の銀行と闘う。

原題:Most Influential 50 Are the Bankers, Investors Who Move Markets(抜粋)

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