日本株3日ぶり反発、流動性相場と政策期待-金融、建設高い

東京株式相場は3営業日ぶりに反 発。低調な雇用統計を受けた前週末の米国株が低金利の長期化観測で高 く、米経済に対する深刻な懸念は広がらなかった。日本の国内総生産 (GDP)改定値も下方修正されたが、根強い政策期待があり、銀行な ど金融株や建設株、情報・通信株中心に高い。

TOPIXの終値は前週末比5.43ポイント(0.4%)高の1298.64、 日経平均株価は36円43銭(0.2%)高の1万5705円11銭。

みずほ投信投資顧問の清水毅チーフストラテジストは、「米雇用統 計の結果は弱いものの、他の統計から判断して景気は悪化には向かわな いだろう。すぐに引き締めする必要はなく、最も良い環境」とみる。た だ、国内については「次第に景況感が悪くなっている。今月は政策にら みで株価の方向感が出にくいかもしれない」とも話した。

米労働省が5日に発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数は前月比14万2000人増加にとどまり、ブルームバーグがまとめた エコノミストによる最も低い増加予想を下回った。予想中央値は23万人 増。失業率は6.1%と前月の6.2%から低下、労働参加率は62.8%と前月 の62.9%から低下し、1978年以来の低水準に並んだ。同日の米S& P500種株価指数は過去最高値を更新した。

「雇用統計後に早期利上げ懸念で米国株がショックを受けるような 状況ではなかった」と、大和証券投資戦略部の塩村賢史シニアストラテ ジスト。現在の金余り状態を背景に、「はっきりしないながらも、株価 は上向きが続きそう」との見方を示している。この日のドル・円相場は 1ドル=105円-105円20銭台でおおむね推移、5日の東京株式市場の通 常取引終了時点は105円32銭だった。

景気ウオッチャーも低下

一方、取引開始前に発表された日本の4-6月期GDP(2次速 報)は、年率換算で前期比7.1%減と1次速報の6.8%減から下方修正さ れた。ブルームバーグ調査による予想値は7.0%減。SMBC日興証券 の牧野潤一チーフエコノミストは、「ネガティブな結果を受け、市場の 関心は政府・日本銀行の要人発言に集まろう」と指摘する。午後に明ら かになった8月の景気ウォッチャー調査は、現状が47.4(前回51.3)、 先行きは50.4(同51.5)へ低下した。

週明けの日本株は、日米実体経済の不透明感と政策期待が綱引き し、株価指数の明確な方向感は見出しにくかった。みずほ投信の清水氏 は、「GDPは設備投資が下方修正され、在庫は増えるなど修正の形が 良くない。景気ウオッチャーも現状、先行きとも悪化している」とマク ロ面の不安材料に言及。しかし、「企業収益が良いうちは、株価が崩れ るとは考えていない」とも話していた。

東証1部の業種別33指数はその他金融、電気・ガス、建設、情報・ 通信、機械、銀行、鉄鋼、卸売、非鉄金属など26業種が上昇。鉱業、サ ービス、ゴム製品、その他製品など7業種は安い。

売買代金上位ではソフトバンク、ファナック、熊谷組、神戸製鋼 所、あおぞら銀行、オリックス、三菱電機が上昇。SMBC日興証券が 目標株価を上げたセイコーエプソンや大成建設、鹿島も買われた。これ に対し、前週末に公表された日経平均株価の定期銘柄入れ替えは新規採 用、除外ともなく、市場で採用候補となっていた楽天や任天堂、ヤマハ 発動機はそろって安い。楽天は、米通販会社買収の協議事実が明らかに なり、財務負担懸念もあった。

東証1部の売買高は17億7744万株、売買代金は1兆5241億円。値上 がり銘柄数は1272、値下がりは455。

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