錦織圭、アジアから初の決勝進出-全米オープンテニス

テニスの全米オープン男子シングル ス準決勝がニューヨーク時間6日行われ、錦織圭が第1シードのノバ ク・ジョコビッチ(セルビア)を6-4、1-6、7-6、6-3で破 り、アジアから初の4大大会決勝進出を決めた。

錦織(24)は第4セットの第1ゲームと最終ゲームを含む5つのジ ョコビッチ(27)のサービスゲームをブレーク。世界ランキングトッ プ10の選手をこれで3人連続で打ち破った。勝利の瞬間、ラケットがコ ートに落ち、錦織は両拳を天に突き上げた。

コートサイドでのインタビューで、錦織は「テレビで見ている日本 からの応援を感じた。日本では朝の4時だけど、みんな観ていてほし い」と語った。

本田玲二氏(会社員、48)は試合後の街頭インタビューで、30年ほ ど前にウィンブルドンで日本人の若者が優勝する連載漫画があったとし 「それと同じ偉業が実現したことは素晴らしい」と述べた。野浦隆業氏 (同、35)は「日本人として勇気をもらえる。体格は海外の人よりきゃ しゃだが、それでも挑戦し結果を出している」と話した。

第10シードの錦織は8日の決勝戦でマリン・チリッチ(クロアチ ア)と戦う。

フォーブス誌のアスリート年間長者番付によれば、錦織は男子テニ スで5位。2013年6月-14年6月に稼いだ1100万ドル(約12億円)のう ち、900万ドルはアディダス、デルタ航空など企業とのスポンサー契約 による収入だった。錦織は「ユニクロ」を展開するファーストリテイリ ングとも契約している。

敗れたジョコビッチは7月から世界ランキング1位。12年から13年 にかけて1年近くトップを守っていた。試合後、「きょうの試合は望む ものとかけ離れていた。エラーやショートボールが多く、自分とは思え ない」と記者団に語った。

声援

第4セットで第1ゲームでジョコビッチのサービスをブレークした 後、錦織は自身のサービスゲームで0-40に追い込まれる場面もあっ た。その後続けて5ポイントを取り、2-0でリードした。試合開始時 ではジョコビッチの応援が大半だった観衆だが、ゲームが進展するにつ れ錦織への声援が目立つようになった。

この日のニューヨークは蒸し暑く、風もあるコンディション。ナシ ョナル・テニス・センターのコート上の気温は、第3セットにカ氏95度 (セ氏35度)に上昇した。錦織にとって3試合連続の4セット以上の戦 いとなった。「長い試合が好きなんだと思う」と錦織は述べた。

これまでに日本人で全米オープンのベスト4に勝ち進んだのは1918 年の熊谷一弥が最後。日本人男子として4大大会の準決勝に臨んだの は33年のウィンブルドンでの佐藤次郎以来。

世界ランキング

89年12月29日に島根県松江市で生まれた錦織は、5歳でテニスを始 めた。小学6年生の時に史上5人目の全国制覇3冠。中学2年生の時に 財団法人盛田正明テニス・ファンドの強化選手として米フロリダ州のニ ック・ボラテリーテニスアカデミーに留学した。07年10月にプロ転向を 表明、09年はひじの故障と手術でほぼ1年を棒に振った。

小1から中1まで錦織を指導していたグリーンテニススクールの柏 井正樹ヘッドコーチ(54)は、テニスが「好きで、負けず嫌い」で自分 が必要だと感じたトレーニングはやったと当時を振り返る。ゲームセン スとボールコントロール能力はそれぞれ100人に1人の逸材で「単純計 算で1万人に一人くらいの才能なのかもしれない」と述べた。

今年4月のバルセロナ・オープンでは決勝でサンティアゴ・ヒラル ド(コロンビア)を破って優勝。5月のマドリード・オープンでは決勝 でラファエル・ナダル(スペイン)と戦ったが、途中棄権で準優勝だっ た。この5月に世界ランキングを9位まで上げて、日本人男子の最高記 録を更新していた。

--取材協力:Rin Ichino、宮沢祐介、日高正裕、高橋舞子.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE