米国債(5日):5年債が上昇、雇用者数の伸びが今年最低

米国債市場では5年債が上昇。8月 の雇用者数の伸びが今年最低となったことで、金融当局が来年下期も緩 和策を維持するとの観測が強まった。

5年債利回りは1カ月余りで最大の下げ。米労働省が発表した8月 の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済 み)は前月比14万2000人増加した。フェデラルファンド(FF)金利先 物動向によると、当局が来年6月までに0.5%以上に政策金利を引き上 げる確率は41%と、雇用統計発表前の47%から低下した。

クレディ・スイスの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は 雇用者数の伸びについて、「ひどい数字ではないが、期待外れなことは 確かだ」と指摘。「金融当局が慎重になることが示唆される。早期利上 げを見込む市場参加者は、その考えを見直す必要があろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.69%。一時9bp低下と、7月の雇用統計が発表 された8月1日以降で最大の下げとなった。同年債(表面利 率1.625%、2019年8月償還)価格は3/32上げて99 22/32。

10年債利回りは1bp未満上げて2.46%。一時6bp下げた。週間 では12bp上昇。30年債利回りはこの日2bp上げて3.23%。

利回り格差

5年債と30年債の利回り格差は153bpに拡大し、ここ2週間で最 大となった。金融当局が利下げに急ぐことはないとの見方から、短期債 の金利の低下ペースがより長めの債券を上回っている。金融政策には短 期債の方が長めの債券よりも敏感とされる。

米資産の金利がより高めなことも背景に米国債は買い進まれた。欧 州の国債利回り低下で、米10年債利回りの他の主要7カ国(G7)の国 債に対する上乗せ幅は86bpと、2007年6月以降の最大となった。

米10年債と同年限の独国債の利回り格差は153bpと、1999年6月 以降で最大となった。

パイオニア・インベストメンツのバイスプレジデント、リチャー ド・シュランガー氏は「欧州の金利水準を考えると、米国債は非常に魅 力的だ」と述べた。

同氏は年末までの10年債利回りのレンジについて、2.375-2.75% との予想を示した。

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では10年債利回りは年 末までに2.89%に上昇すると予想されている。

雇用統計

8月の雇用者数の増加幅は、ブルームバーグ・ニュースが実施した エコノミスト調査での最も低い予想も下回った。予想の中央値は23万人 増。前月は21万2000人増(速報20万9000人増)に修正された。

家計調査に基づく失業率は6.1%と、前月の6.2%から低下した。

労働参加率は62.8%と、前月の62.9%から低下した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の チーフエコノミスト、ポール・マカリー氏は「きょうのデータは、慎重 かつ辛抱強いイエレン議長の姿勢は正しいということを伝えている」と 指摘。「ウォール街は落ち着いて、金融当局が後手に回っているとの批 判をいったんやめるべきだ。当局は後手に回ってはいない」と続けた。

原題:Treasury 5-Year Notes Advance on Slow Job Growth, Fed Outlook(抜粋)

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