ECB:残る道はQE、ユーロ安へ-市場関係者コメント

欧州中央銀行(ECB)は4日、経 済成長を支えデフレを回避するため、3つの政策金利全ての引き下げを 決定。ドラギ総裁はECBによる資産購入開始を発表した。大規模な量 的緩和(QE)に踏み込むには至らなかった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

◎ECBに残る選択肢はQEのみ、ユーロは一段安へ-PIMCO:

欧州中央銀行(ECB)に残それた政策手段は量的緩和(QE)の みのため、ユーロは対ドルで現水準からさらに下がるだろうと、パシフ ィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の欧州外為責 任者のトマス・クレッシン氏が4日のインタビューで述べた。:

ユーロ圏で消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)など の指標がさらに弱まればECBは数カ月中にQEを導入するだろう。 ECBの追加措置はユーロへの下押し圧力。調達通貨としてユーロと円 を選好。ユーロと円は向こう1年間、他の主要通貨を下回る値動きとな る見込み。PIMCOは引き続き質の高いキャリー取引を選好。

◎ECBはQEに向け「明確な第1歩」踏み出した-バークレイズ:

マクロ経済情勢の悪化が続くか、インフレ期待が再び低下し始めれ ば、次の措置は国債購入を含む本格的なQEとなる見通しで、その場 合、年末ないし2015年初めまでに実施される公算が最も大きいと、バー クレイズの欧州担当チーフエコノミスト、フィリップ・グダン氏らがリ ポートで指摘した。:

長期リファイナンスオペ(TLTRO)のコスト引き下げは、ユー ロ圏の中核的な銀行による利用拡大につながらないかもしれない。目覚 ましい利用がなくても、過剰流動性を2500億-3000億ユーロの心地よい 領域に膨らませるのに十分だろう。短期金利を超低水準に維持するのに 役立ち、ユーロ安への環境を整備することになろう。

◎米債券相場の上昇は終了へ、ECB利下げ-アパルーサのテッパー 氏:

ヘッジファンド運営会社アパルーサ・マネジメント(運用資産200 億ドル=約2兆1000億円)の創設者デービッド・テッパー氏は、米債券 相場の上昇局面は終わりつつあるとの見方を示した。欧州中央銀行 (ECB)が成長押し上げやデフレの脅威回避を目指し、大方の予想外 に政策金利を引き下げたことを理由に挙げている。:債券相場上昇の終 わりの始まりだ。ドラギ総裁はユーロ圏での物価上昇を望んでいる。途 中で断念はしない。

◎ECBは本格的な量的緩和に向かう、ユーロ下落予想-キャピタル E:

ドラギ総裁は追加利下げの可能性を排除しているが、ECBが「現 時点では計画していない(また、多くの人が恐らく予測していない)よ うな本格的な量的緩和(QE)」に乗り出すとキャピタル・エコノミク スのエコノミスト、ジョン・ヒギンズ氏は予想する。:

ユーロ圏の経済成長率が2015年と16年に1.5%になる。ユーロの対 ドル相場は2014年末までに1.25ドル、15年末までに1.20ドル、16年末ま でに1.15ドルの見透し。足元のユーロ相場は、多くの適正水準の推計値 からさほど離れていないようだ。

◎ユーロ15年半ば1.25ドルに、ABS購入総額5000億ユーロへ-メリ ル:

ABS購入がどれくらいの期間に及ぶのかは予想しにくいと、バン ク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのグローバル金利・通貨責 任者のデービッド・ウー氏がインタビューで語った。:

ABSは米国タイプのQEより「幾分建設的とみなされるだろ う」。QEは社債市場で効果的に機能する。欧州では借り入れは銀行へ の依存度が高い。ユーロは年末に1.30ドルになるとの予想より「下振れ する恐れ」。2015年半ばで1.25ドルは「なお合理的な予想」。「現時点 ではどんな状況もあり得る」。ユーロ・ドル相場の適正水準は1.20 -1.30ドルで、ユーロ下落のペースはECBがABS購入をどのくらい 迅速に進めるかで決まる。

◎ECBの行動はユーロ下押しへ、量的緩和見送りで批判も-IHS:

ECBは「本格的で大規模な」量的緩和(QE)を回避することで 強い批判を浴びるだろうと、IHSグローバル・インサイトのエコノミ スト、ハワード・アーチャー氏がリポートで指摘した。:

この日の行動は債券利回りを押し下げ、「ユーロに一層の下押し圧 力をかける上で有益な影響をもたらすだろう」。:

「本格的なQEのハードルはなお高く、多くの政策委員会メンバー はそうした方向へ進むことに不安を感じている」。

「特に地政学的な緊張が高いままで、景況感や恐らく投資計画の重 しとなる状況下では」、ECBが当面、ユーロ圏への支援を限定的なも のにとどめると予想される。

◎QEがECBに残された唯一の選択肢に、道具箱の中身尽きる- ING:

4日に発表された措置はユーロ圏経済にとって大きな変化をもたら したり、弾みとなったりするものではないと、ING-DiBaのチー フエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏が顧客向けリポートで指摘 した。:

短期的には、ECBの措置を受けたユーロ安と上向きが予想される 金融市場が多少の安堵(あんど)感をもたらすだろう。

◎ECBの行動、ユーロを「恒久的に下押しする」可能性-HFE:

ECBの決定は経済見通しにとって「重要ではない」と、ハイ・フ リークエンシー・エコノミクス(HFE)のエコノミスト、カール・ワ インバーグ氏がリポートで指摘した。:

ユーロ圏の金利は「すでにゼロに十分近かったため、借り手にとっ て0.1ポイントの新たなコスト節減は効果が感じられないだろう」。

それでも「市場へのこうした衝撃は恒久的にユーロを下落に向かわ せる可能性があり、いずれ経済にもプラスに働くと考えられる」。

◎ECBは「まだ終わっていない」、12月にQE再浮上も-ジェフリー ズ:

欧州中央銀行(ECB)の4日の行動は「フォワードガイダンスに 関するメッセージの強化」が目的であり、ECBが緩和姿勢を継続する ことを示唆しているほか、長期リファイナンスオペ(TLTRO)の 「最大の効果」を確実にもたらそうとしていると、ジェフリーズのスト ラテジスト、マーシェル・アレクサンドロビッチ氏がリポートで指摘し た。:

ECBがカバード債・資産担保証券(ABS)プログラムの下で高 品質の資産のみを購入することを考えると、これらの購入規模をめぐる 不確実性は高い。このため、2015年にはTLTROの方が「はるかに効 果的な手段だったと最終的に分かる可能性がある」。

◎ECB利下げは対立覆い隠す「妥協」、追加措置必要か-ベレンベル ク:

ドラギ総裁が政策委員の「安定」多数が4日の決定を支持したと述 べたことは、「反対がかなり大きく」、利下げが「妥協」だったことを 示していると、ベレンベルク銀行のクリスチャン・シュルツ氏がリポー トで指摘した。:

資産購入プログラムは「未完成品」。4000億ユーロを上限に割安な 資金を4年間供給する2回の入札が期待外れに終われば、ECBは今後 の会合で「追加行動を取る可能性がある」。かなりの規模となる可能性 がある資産担保証券(ABS)購入プログラムに利下げを加えたこと で、現時点では国債買い入れの可能性は低下した。

原題:EUR to Move Lower as QE Only Option Left in ECB’s Arsenal: Pimco(抜粋) 原題:Appaloosa’s Tepper Says U.S. Bond Rally Ending as ECB Cuts (1)(抜粋) 原題:ECB Seen Moving Toward QE, Euro Seen Falling: Capital Economics(抜粋) 原題:ECB Takes ‘Clear 1st Step’ Into QE, Barclays Says(抜粋) 原題:EUR to Hit 1.25 Mid-2015, ABS Purchases to Total EUR500b: BAML(抜粋) 原題:ECB Action to Weigh on EUR, Draw Criticism for Lack of QE: IHS(抜粋) 原題:ECB QE Only Option Left as Bank Empties Toolbox, ING Says (抜粋) 原題:ECB Action Could ‘Permanently Move Euro Lower’: HFE(抜 粋) 原題:ECB ‘Not Finished Yet,’ QE to Come Up Again in Dec.: Jefferies(抜粋) 原題:ECB Cut ‘Papers Over’ Split, More Action May Be Needed:Berenberg(抜粋)

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