監視委:長期国債先物で相場操縦、海外投資家に課徴金勧告

証券取引等監視委員会は5日、シン ガポール在住の個人投資家が日本の長期国債の先物取引で金融商品取引 法違反(相場操縦)をしたとして、33万円の課徴金納付命令を出すよう 金融庁に勧告した。

監視委の発表によると、外国籍の20代会社役員のこの男性は昨年6 月26日、うその売買注文を大量に出す「見せ玉」と呼ばれる手口で相場 を変動させ、33万円の不当な利益を上げた。高速自動発注により、見せ 玉の発注から取り消しまでの0.3秒未満の間の小口の取引を繰り返し、 利益を積み上げていたという。

監視委は会見で、取引の国際化、金融商品取引の多様化、取引の高 速化など、市場の変化に適切に対応していく必要があるとの認識を示し た。今回の国境をまたいだり、アルゴリズムを利用した取引は変化の一 例であるとして、今後も違反行為があれば厳正かつ迅速に対処していく 考えを明らかにした。

三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、 「以前に比べ国債先物の出来高が縮小し、流動性が落ちているので狙わ れやすい市場になっていることは確かだろう」と指摘。ただ、「今回の 件で相場形成が歪められているとは思わない」と述べ、債券相場への影 響はないとの見方を示した。

量的緩和政策の一環として、日銀が毎月約7兆円の国債大量買入れ をしている影響で、国債市場のボラティリティ(価格変動)と取引量は 記録的に低調となっている。ブルームバーグ・データによると、8月18 日の10年国債先物市場の取引量は8546億円と、昨年10月以来の薄商いだ った。

--取材協力:池田祐美.

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