債券は下落、米債安や円安で売り-3カ月TBマイナス0.01%まで低下

債券相場は下落。前日の米国債相場 の反落や外国為替市場での円安進行を背景に売りが優勢となった。一 方、新発3カ月物の国庫短期証券(TB)はマイナスで取引された。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は前日比9銭安の146円06銭 で取引を開始し、一時は145円98銭と8月22日以来の安値を付けた。午 後に入ると2銭安まで下げ幅を縮める場面もあった。終値は10銭安 の146円05銭だった。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.54%で開 始。新発債としては7月23日以来の高水準を付けた。午後に入るといっ たん0.535%に戻したが、再び0.54%に上昇。20年物の149回債利回り は0.5bp高い1.34%。30年物の43回債利回りは0.5bp高い1.665%と8 月22日以来の水準まで上昇した。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、欧州中央銀行(ECB)の緩和決定は想定外でサプライズとし、ユ ーロ安につれて円安が進み、ヘッジファンドが円安・債券安に賭けて債 券先物に売りを出していると説明した。TBマイナス金利については 「需給逼迫(ひっぱく)による低下。日銀が大量に吸収しており、モノ がない。 海外勢からのTB需要や欧州のマイナス金利の影響も出てい る」と述べた。

マイナス金利

TB477回債利回りが午後に入ってマイナス0.001%で取引が成立し た。その後もじりじりと水準を切り下げ、マイナス0.010%まで低下。 マイナス金利は7月10日に入札前の業者間市場で付けて以来となる。日 本銀行がきょう午前の金融調節でTB買い入れオペの実施を見送ったこ とで、需給の引き締まりがあらためて確認されて買いが入った。

4日の米国債相場は下落。10年債利回りは前日比5bp上昇の2.45% 程度となった。ECBが定例理事会で追加金融緩和を決めたことで朝方 は買われたが、米景気の先行き期待を背景に売りが優勢となった。5日 発表の8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の増加幅が7カ月連続 で20万人超となる見通し。5日の東京外為市場で円は一時1ドル=105 円71銭と2008年10月以来の水準まで下落した。

証券取引等監視委員会は5日、長期国債先物の相場操縦の疑いがあ るとして、シンガポール在住の20代の外国籍男性の個人投資家に課徴金 納付命令を出すよう金融庁に勧告した。課徴金は33万円。国債先物の相 場操縦で課徴金命令が出るのは、今回が初めて。

三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、 「以前に比べて国債先物の出来高が縮小しており、流動性が落ちている ので、狙われやすい市場になっていることは確かだろう」と指摘。た だ、「今回の件で相場の形成が歪められているとは思わない。債券相場 への影響はない」と話した。

--取材協力:谷口崇子.

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