米国債:下落、主要国国債に対する上乗せ利回りは7年で最大

米国債相場は下落。利回り上昇によ り、他の主要国の国債に対する米国債の上乗せ利回りは過去7年で最大 となった。5日発表の米雇用統計は、経済が力強さを増しつつある状況 を示すと予想されている。米金融当局と他の主要中銀の政策は、方向性 に違いが出てきている。

ヘッジファンド運営会社アパルーサ・マネジメント(運用資産200 億ドル=約2兆1000億円)の創設者デービッド・テッパー氏は、米債券 相場の上昇局面は終わりつつあるとの見方を示した。欧州中央銀行( ECB)が成長押し上げやデフレの脅威回避を目指し、大方の予想外に 政策金利を引き下げたことを理由に挙げている。欧州で国債利回りが低 下したため、米10年債利回りの他の主要7カ国(G7)の国債に対する 上乗せ幅は2007年以降で最大となった。8月の米雇用統計では、雇用者 数の増加幅が7カ月連続で20万人超になると見込まれている。

イートン・バンス・マネジメントのマネーマネジャー(ボストン在 勤)、エリック・スタイン氏は「米国だけを個別に見た場合、利回りが 上昇すべき状況にあることは明らかだ」とし、「経済成長ペースはかな り上向いている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.45%。同年債(表面利 率2.375%、2024年8月償還)価格は15/32下げて99 11/32。

30年債も下げ、5年債と30年債の利回り格差は151bpとなった。 8月28日には142bpと09年1月以降で最小となっていた。

30年債利回りは7bp上昇し3.21%。

米国債リターン

米政府債のディーラー間ブローカーで最大手のICAPを通じた米 国債の売買高は4526億ドルと、8月1日以来の水準に増加。前日は3577 億ドルだった。年初来の平均は3236億ドル。

ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債の年初来リターンはプ ラス4.1%。昨年は年間でマイナス3.4%だった。バンク・オブ・アメリ カ(BOA)のグローバル・ブロード・マーケット・ソブリン・プラス 指数は年初来でプラス5.3%。昨年はマイナス0.4%だった。

ECBは3つの政策金利を全て0.1ポイントずつ引き下げ、リファ イナンスオペの最低応札金利を0.05%、中銀預金金利をマイナ ス0.2%、限界貸出金利を0.3%とした。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、ECBが「単純で透明性の 高い証券の幅広いポートフォリオを購入する」と発表した。

アパルーサのテッパー氏は「ドラギ総裁はユーロ圏での物価上昇を 望んでいる。途中で断念はしない」と指摘。「債券相場上昇の終わりの 始まりだ」と述べた。

ユーロ圏利回り低下

ブルームバーグのデータによれば、ECBの利下げ後、ユーロ圏の オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、オランダ、また非 ユーロ圏のデンマークとスイスで2年債利回りがマイナス圏となった。 またアイルランドとイタリアでは10年債利回りが過去最低に下げた。

米10年債と同年限の独国債の利回り格差は148bp。2日には149b pと、1999年6月以降で最大となった。

RBCキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ピーター・ シャフリク氏は顧客リポートで、独国債利回りが押し上げられることは なさそうだとの見方を示した。RBCは、独国債が大きく売られる可能 性は低く、米金利がいずれ上昇すれば格差は一段と大きく拡大すると予 想している。

原題:Treasuries Drop as Yields Top Developed Peers by Most in 7 Years(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger、John Detrixhe.

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