錦織の快挙で実った盛田氏の投資-テニス基金で留学支援

ソニーの元副社長、盛田正明氏が錦 織圭選手につぎ込んだ先行投資がかつてないほど大きな実を結びつつあ る。同選手がテニス4大大会の全米オープンで、日本人選手として96年 ぶりに4強に進出したからだ。

錦織(24)は米国でテニス教育を受けたが、これを支えたのが盛田 氏が設立し、会長を務める「盛田正明テニス・ファンド」だった。錦織 は3日、ニューヨークで行われた準々決勝でスタン・ワウリンカ(スイ ス)をフルセットの激戦の末に破った。

「朝、早起きして試合を全部見た。勝利の瞬間、錦織選手は非常に 平常心だった」と盛田氏(87)は言う。「私もこれで喜んで終わりでは ないと思う。日本からテニスチャンピオンを出すというのが私の夢だっ たので、夢にだいぶ近づいたなと思った」と電話取材で述べた。

錦織は試合後の会見で「最終セットまでプレーするのが好きなわけ じゃないが、最終セットまでプレーする自信は十分にある。第4、第5 セットと進むうちに集中力が増したし、テニスの調子も良くなってき た」と語った。

準決勝に進出したことで錦織は少なくとも73万ドル(約7660万円) の賞金を手にすることになる。今年獲得した賞金は約260万ドル、プロ 転向後の通算では約620万ドルになる。

島根県からフロリダへ

錦織は14歳のときに米フロリダ州のニック・ボラテリーテニスアカ デミーに留学するため島根県から米国に渡った。それを支援したのが、 若い日本人選手の育成を目的とした盛田正明テニス基金だ。盛田正明氏 は日本テニス協会の名誉会長で、ソニー創業者の1人、盛田昭夫氏の実 弟。

錦織は日本人男子として、1918年の熊谷一弥以来の全米オープンで のベスト4入りを果たした。

東京だけでなく、アジアの市場関係者も試合に見入った。エスピリ ト・サント・セキュリティーズ(香港)のセールストレーディング責任 者、アンドルー・サリバン氏は同僚と共にテレビで試合を観戦した。同 氏は「スポンサー企業にすぐに反響があるとは思わないが、錦織が決勝 に進めば日本のテニス関連すべてで非常に大きな上向き材料となる公算 が大きいため、長期的には極めてプラスだ」と述べた。

原題:Nishikori’s Marathon Wins at U.S. Open Pay Off for Sony’s Morita(抜粋)

--取材協力:Anna Kitanaka、竹生悠子、Tom Redmond.

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