マツダ:次期ロードスターを公開-伊フィアット効果に期待

マツダは4日、1989年発売以来、世 界で根強い人気がある2人乗りスポーツカー「ロードスター」の次期モ デルを世界3拠点で公開した。伊フィアットと事業協力した初のモデル となり、さらなる軽量化や性能向上を期待する専門家もいる。

千葉、米カリフォルニア州、スペイン・バルセロナで日本時間午前 9時半から計2000人のファンを招待したイベントを開き、赤いボディの 4代目を公開した。米国イベントでは、デザインディレクターのデレッ ク・チェンキン氏が「あり得ないくらい(車の重心)を低くした。グロ ーバルで才能と知恵を集結した結果だ」と紹介した。

ロードスターは、89年の米シカゴ自動車ショーで発表して以来、世 界のスポーツカー愛好家から強い支持を受けてきた。2000年には英ギネ ス・ワールド・レコーズから、2人乗り小型スポーツカーとして生産台 数で世界一の認定を受けた。今回はデザインのみの公開で、エンジンの 詳細や投入時期は明らかにしなかった。

自動車評論家で、91年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の 松下宏氏は「ロードスターは軽量で、運転者が自分で操っていることを 実感できるという意味で他社の追随を許していない」とした上で、次期 モデルはフィアットの車づくりから「プラスアルファのノウハウを得 て、さらに楽しめる車を出してくれるのでは」と期待感を示した。

徹底的な軽量化を図り、運転手が車と一体感を感じられる「人馬一 体」のコンセプトは、次期ロードスターも引き継ぐ方針。松下氏は、次 期モデルにはマツダ独自の燃費向上技術スカイアクティブを取り込み、 大きく進化すると予想している。

エンジンやデザインはそれぞれ独自に

マツダは13年1月、次期ロードスターの基本構造をベースにフィア ット傘下のアルファロメオ向けモデルを開発することで合意したと発 表。生産はマツダの本社工場で、エンジンやデザインはそれぞれ独自の ものを採用する。

この合意について今年3月、フィアットのセルジオ・マルキオンネ 最高経営責任者(CEO)が「マツダとの協力関係は維持するが、協力 対象ブランドがアルファロメオになるかは検討中」と述べ、傘下の別ブ ランドの小型スポーツカーになる可能性を示唆している。

ギネスに認定されたロードスターの累計生産台数は約56万6000台。 好調な販売を受けて、生産台数は14年7月までに94万7123台となった。 現在は世界36カ国に投入し、最多の米国で13年販売は5780台。次いで英 国の3287台、ドイツの1766台となっている。日本の13年販売は768台。

欧米で認知度向上に貢献

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは、追随する 他社がスポーツカーとしての完成度の高さやデザインに加え、価格面で も競合するのが難しく、結果として発売以来、同カテゴリーでトップを 独走したと指摘。ロードスターは、欧米でマツダの認知度を飛躍的に向 上させた点でも大きな意味を持つという。

現行ロードスターの国内価格は239万7600-302万4000円。25周年記 念車の国内限定25台の価格は325万円。フィアット向け次期モデルは15 年に生産開始予定。

調査会社、IHSオートモーティブの川野義昭アナリストは、2人 乗りスポーツカーの市場は08年の金危機以後、いったん縮小したが、米 国での需要は依然大きいと述べた。同社では、この米国の市場は14年の 約4万台に対し、20年には7万7000台に拡大すると予想。日本市場は14 年の8800台に対し、20年に1万台強とみている。

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