新日鉄住金:全面再開めど立たず名古屋製鉄所、業績に一定影響も

新日鉄住金の名古屋製鉄所(愛知県 東海市)で3日に起きた火災事故で、2基ある高炉を含め一部設備を休 止した。同社は現時点では全面的な操業再開の時期についてはめどは立 っていないと説明。アナリストは業績に影響が出る可能性を指摘してい る。

同社総務部広報センターの菊池佳代・主幹が4日、ブルームバー グ・ニュースの電話取材で述べた。名古屋製鉄所では平均して約2週間 分の製品在庫を抱えているという。同製鉄所の2013年度の粗鋼生産量 は674万トン。新日鉄住金の単独粗鋼生産量全体の約15%を占める。生 産量の約半分を周辺に工場を構えるトヨタ自動車やホンダ、スズキ、三 菱自動車などの自動車メーカー向けに供給している。

新日鉄住金の発表によると、3日の午後0時35分ごろ、名古屋製鉄 所の第1コークス炉の石炭貯蔵設備で火災などによる事故が発生。安全 確保のため、石炭を蒸し焼きにしてコークスを作るコークス炉の操業を 止め、コークス炉から発生するガスの搬送も止めた。ガスを搬送する管 の上に、延焼したベルトコンベアがあり二次災害を防ぐ目的。普段はコ ークス炉で発生するガスを発電用の燃料などに使用している。

今回の事故では同社社員11人、協力会社社員4人の計15人が負傷し た。主要設備への損傷はないという。早急に火災の原因を究明し、再発 防止に徹底的に取り組むとしている。

野村証券の松本裕司アナリストは3日付のリポートで、情報が限定 的で詳細分析は難しいとした上で、減産影響やコークス関連費用増、エ ネルギーコスト増などの可能性があるとして「短期業績では一定の影響 が出る可能性が考えられる」と指摘。その上で「企業価値への影響は限 定的とみられるが、安定操業面では課題がある」との見方を示した。

名古屋製鉄所では今年1月以降、停電による黒煙が発生するなどの トラブルが計4度起きていた。新日鉄住金では6月に起きた停電で、生 産や出荷への影響、コスト増、修繕費などで今期(15年3月期)に 約100億円の損失を見込むと7月の決算会見で説明していた。

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