米国債:上昇に転じる、ウクライナ停戦協議への疑念で逃避

米国債相場は上昇。利回りは3週間 ぶり高水準から低下した。ウクライナ紛争を解決に導く取り組みに対す る疑念が、投資資金を米国債に向かわせた。

10年債利回りは3営業日ぶりに低下。ウクライナのヤツェニュク首 相はロシアがこれまでの合意をすべて無視、あるいは「大胆にも違反し た」と非難した。米経済見通しは明るいものの、ウクライナ危機への懸 念と欧州中央銀行(ECB)が一段の緩和措置を打ち出すとの見方が、 米国債の利回り上昇を抑えている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利トレーディング責任者、ブ ライアン・エドモンズ氏は「まだ質への逃避が終わったと言える状況で はない。世界的に利回りが低下方向にあるなか、米国債は一番割安のよ うに見える。押し目で買いを入れる市場心理だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 5時現在、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて2.4%。同年債(表面利率2.375%、2024年8月償還) 価格は7/32上げて99 25/32。利回りは一時2.47%に上げ、8月13日以来 の高水準に達した。

ロシアのプーチン大統領が説明した紛争終結のための計画につい て、ヤツェニュク首相は「北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控 えて国際社会に対して体裁を整えているに過ぎず、もはや避けられない 欧州連合(EU)による追加制裁を免れようとするいつもの『策略』 だ」と非難した。

プーチン大統領、ヤツェニュク首相

プーチン大統領は訪問先のモンゴルのウランバートルで、ウクライ ナ反政府派が東部での攻撃をやめることやウクライナ軍の住宅地区から の撤退など7項目から成る和平案を示した。最終合意には5日の会合で 達する可能性があるとしている。

オバマ米大統領はエストニアの首都タリンに到着。同国とラトビ ア、リトアニアのバルト3国の首脳と会談を予定している。オバマ大統 領はその後、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するため、 英国に向かう。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は電話 インタビューで、「喜ばしいニュースを受けて最初は売りが出たが、そ の後で停戦についてさらに情報が入ってきた」と指摘。「何も明確にな っていない。投資家はプーチン氏の真意を測りかねている」と述べた。

ウクライナの緊張激化に加え米軍のイラク空爆、イスラエルとハマ スの戦闘などで、この数カ月間、比較的安全な米国債を求める動きが強 まっている。

経済データ、金利上昇

ジェフリーズ・グループのエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏 はウクライナとロシアに関するニュースの方が「経済データよりも強い 影響力を持つ状況は今後も続くだろう」と述べた。

ブルームバーグ世界債券指数によると、米国債の投資リターンは8 月に1.3%と、1月以来の好成績だった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「金利はいつか上昇する」と指摘。「連邦公 開市場委員会(FOMC)が経済の展開をどう解釈するかにかかってい る。私が投資家なら、金利が低下すると考えながら何もせずにいること はしないだろう」と述べた。

原題:Treasuries Advance on Refuge Demand Amid Ukraine Skepticism(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda.

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