安倍首相:内閣改造、自民幹事長に谷垣氏-党内融和へ待機組登用

安倍晋三首相は3日、内閣改造と自 民党役員人事を行った。党幹事長に谷垣禎一前総裁を充てたほか、衆院 当選8回ながら大臣経験がなかった山口俊一科学技術担当相ら「待機 組」も一部を登用。人事断行は来年の自民党総裁選での再選も見据え、 党内融和を図る狙いがあるとの見方が専門家の間から出ている。女性閣 僚は小渕優子経済産業相ら5人で過去最多に並んだ。

内閣改造に先立ち、安倍首相は3日午前の自民党臨時総務会で幹事 長に谷垣前法相、政調会長に稲田朋美前行政改革担当相、総務会長に二 階俊博衆院予算委員長を充てる人事を公表した。谷垣氏は総務会メンバ ーへのあいさつで、政権をしっかり支えるよう「力を合わせて頑張って いただきたい」と語った。

政治評論家の浅川博忠氏は自民党内の事情について「民主党政権で 3年3カ月下野して、60人からの初入閣有資格者がたまっている。ある 程度それを消化してガス抜きをしないといけない」と指摘。改造内閣は 党内融和を優先した「再選シフト内閣」になる、と語った。

アベノミクス

アベノミクスの「3本の矢」のうち成長戦略の取りまとめ役だった 甘利明経済再生担当相、党政調会長代理として党側から関わってきた塩 崎恭久元官房長官の処遇も焦点だった。甘利氏は麻生太郎副総理兼財務 相らとともに留任した。

塩崎氏は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を所管する 厚生労働相に就任した。塩崎氏は改革のための法改正を党内で主張して きた1人。第1次安倍内閣で官房長官を務めていた。

大阪大学名誉教授の八田達夫氏は、塩崎氏の起用について「第1次 安倍内閣でいろんな改革を実行してきた実績がある。改革を推進してい くという安倍さんの強いメッセージだ」との見方を示した。

このほか、菅義偉官房長官、岸田文雄外相、下村博文文部科学相、 公明党の太田昭宏国土交通相が留任。地方創生担当相に石破氏、総務相 に高市早苗氏、防衛相兼安全保障法制担当相に江渡聡徳前防衛副大臣を 起用した。

総裁選

安倍首相の自民党総裁としての任期は来年9月に満了となる。長期 政権を実現するには、これに先立ち行われる総裁選で再選されることが 必要だが、最大のライバルとなる可能性があるのが12年の総裁選で決選 投票を争った石破氏だ。

石破氏は8月25日のラジオ番組で自身の総裁選出馬について「その 時の状況による」と発言。今回の人事をめぐって、67%の自民党支持層 が幹事長続投を支持するとの毎日新聞の世論調査結果について聞かれ、 それにお応えできたらいい、と続投に意欲を示した。

こうした発言に首相に近い議員は反発。麻生財務相は29日の会見 で、石破氏の発言について問われ、「普通この時期、話題に出てくる人 は発言しないもの」と指摘。「公共の電波を使ってばんばんしゃべる、 珍しいなと思っていた」と皮肉った。

政治評論家の浅川氏は石破氏が幹事長続投など人事に関して発言し たことについて「組織なんだから任命権者に一任するというのを示さな いといけないのが、それに逆らう印象を与えた」と指摘。自民党内で石 破氏は「組織の中ではやっていけないという印象を親安倍派だけではな く、中間派からも持たれた」との見方を示した。

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