債券先物は下落後戻す、円安一服や株価伸び悩みで-米債大幅安に警戒

債券先物相場は朝安後に横ばい圏に 戻した。前日の米国債相場が大幅下落したことを受けて売りが先行した 後、外国為替市場での円安一服や株式相場が伸び悩んだことを背景に買 いが優勢に転じた。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は前日比8銭安の146円08銭 で開始し、146円03銭と8月25日以来の安値を付けた。午前の金融調節 で日銀が国債買いオペを通知すると下げ幅を縮小。午後に入ると水準を 切り上げ、一時は2銭高まで上昇。終値は横ばいの146円16銭だった。

SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、前日午後 からの円安や株高の進展は、第2次安倍改造内閣の顔ぶれなどを期待し たものとみられ、発表された閣僚名簿は予想通りだったので、こうした 流れが一服し、債券が買い戻されていると説明。「新発10年債利回り が0.535%と久しぶりの水準となり、買いも入っているもようだ」と話 した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは0.535%と、7月31日以来の高水準で開始。 その後は同水準で推移したが、午後2時すぎに0.53%を付けた。2年物 の344回債利回りは1日終値比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.075%。 5年物の118回債利回りは横ばいの0.16%。20年物の149回債利回りは横 ばいの1.335%。30年物の43回債利回りは1bp高い1.65%と8月22日以 来の高水準。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、朝方の 債券相場について、海外金利の上昇やドル高・円安など手掛かりに売り が先行したと指摘。一方、「10年債利回りの0.4%台では戻り売りが優 勢だったが、逆に0.5%台に乗せたことで一定の需要が喚起される」と し、相場の調整は深くならないとの見方を示していた。

2日の米債相場は大幅安。10年債利回りは前営業日終値に比べて 8bp高い2.42%と、最近1カ月余りで最大の上昇となった。製造業景況 指数が3年ぶり高水準となったことが材料。外為市場では円が1ドル =105円台と8カ月ぶり水準まで下落したが、3日午後の東京市場で は104円台後半に戻している。株式相場は午後に上げ幅を縮め、 TOPIXは前日比0.4%高の1301.52で引けた。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ3本(総額9000億円) の結果によると、残存期間1年超3年以下の応札倍率は3.65倍と前回 の3.66倍とほぼ同水準。3年超5年以下は4.83倍と前回の4.39倍から上 昇。5年超10年以下は3.27倍と前回の3.07倍を上回った。

自民党は3日午前、党本部で臨時総務会を開き、谷垣禎一法相を幹 事長に起用するなど新たな執行部を決めた。安倍晋三首相は午後に第2 次政権発足から初の内閣改造を実施。第1次内閣で官房長官を務め、年 金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用・組織改革の推進派 である塩崎恭久氏を厚生労働相に起用した。菅義偉官房長官が午後の記 者会見で閣僚名簿を発表した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「財政再建派かつ自民 党総裁経験者の谷垣氏を幹事長に据え、同じく財政再建を主張する麻生 太郎氏を財務相に据え置いたことは、安倍政権内で財務省のグリップが 落ちておらず、第二次消費増税を予定通り実現する姿勢と見える」と指 摘。一方、「GPIFの資産配分変更は間近に迫っており、相応に大き な資産変更になることが既定路線化されているので、改革積極論者の塩 崎氏によってその流れがどれだけ加速するのかは疑問」と言う。

--取材協力:赤間信行.

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