米国債:下落、利回りは約1カ月で最大の上げ-指標に反応

米国債相場は下落。利回りはここ1 カ月余りで最大の上げとなった。製造業景況指数が3年ぶり高水準とな ったことが手掛かり。今週発表の米雇用統計では雇用者数の増加継続が 示される見込み。また今月は米企業による起債が多く予定されている。

米国では9月、企業による起債が多く予定されている。バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)によれば起債額は合計で1000億ドルを超える可 能性があり、このペースが続けば今年の起債額は3年連続で過去最高を 更新する。米銀ウェルズ・ファーゴはこの日、米国債の年末の利回り予 想を引き下げた。米国債相場は8月、月間ベースで7カ月ぶりの大幅高 となった。ウクライナや中東での地政学的緊張や、欧州中央銀行( ECB)による追加緩和観測が背景にある。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は 「多くの供給のほか、重要な経済指標を控えて慎重さが広がる中、利回 りは極めて低い水準にある」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 5時現在、10年債利回りは前営業日比8ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.42%。同年債(表面利率2.375%、2024年8月償 還)価格は22/32下げて99 19/32。

10年債利回りの上昇幅は10bp上げた7月30日以降で最大。同日は 4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)が予想を上回る 伸びとなったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6会合連続と なる資産購入額の引き下げを決定した。

30年債利回りはこの日、10bp上げて3.18%。上げ幅は昨年11月20 日以降で最大。

米国債リターン

ブルームバーグ米国債指数によると、米国債の8月のリターンはプ ラス1.3%と1月以降で最高だった。10年債利回りは8月15日に2.30% と、13年6月以来の低水準を付けた。

米国債市場は前日、レーバーデーの祝日で休場だった。

ウェルズ・ファーゴは10年債利回りの年末予想を従来の3.25%か ら2.75-3%に引き下げた。30年債についても従来の4%から3.5 -3.75%に下方修正した。

ウェルズ・ファーゴはこの日のリポートで、「世界的な経済成長の 弱さや落ち着いたインフレ、世界的な金利低下が影響し、米国債の利回 りは下げている」とし、「こうした要因は年末まで続くと予想される」 と加えた。

企業の起債

米食品スーパーのセーフウェイやオーストラリアのショッピングモ ール経営ウェストフィールドなど、起債ラッシュが予定されている背景 には、信用危機以降で最大の買収ブームや金利が過去最低付近にある好 機を捉えようとする動きがある。

BOAメリルリンチの米社債・高利回り指数によれば、社債の8月 のリターンはプラス1.4%。7月はマイナス0.4%だった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は予想を上回る経済指 標が「下げ相場の基本的な背景となっている」としたほか、「企業の起 債予定が多数控えており、レートロックの売りや調整が必要になる可能 性があることを示唆している」と続けた。

地政学的緊張が高まった場合は、起債は向かい風を受ける可能性が ある。8月は地政学的緊張の高まりから、米国のジャンク債ファンドか ら過去最高となる71億ドルが引き揚げられた。

原題:Treasuries’ Drop Lifts Yields Most Since July on Factory Growth(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda.

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