日産自で相次ぐ幹部退任、パーマー氏は英社へ-ゴーン氏に痛手

日産自動車では幹部の退任が相次い でいる。チーフ・プランニング・オフィサー(CPLO)のアンディ・ パーマー氏は辞職し、英アストンマーティンの最高経営責任者 (CEO)に就く。カルロス・ゴーンCEOに痛手になるとの指摘も出 ている。

日産は2日、電気自動車事業などを統括していたCPLOのパーマ ー氏が退任すると発表した。日産では7月、高級車「インフィニティ」 部門責任者のヨハン・ダ・ネイシン氏が辞任し、米ゼネラル・モーター ズ(GM)のキャデラック部門に移籍。これに先立ち、広報部門トップ で執行役員だったサイモン・スプロウル氏が辞任し、米テスラ・モータ ーズに移った。

パーマー氏の後任のCPLOには、日産と資本提携関係にある仏ル ノー副社長のフィリップ・クラン氏が15日付で就任する。インフィニテ ィ部門については、北米事業を統括するホセ・ムニョス氏が当面、兼任 している。

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは、「非常に 優秀な人材が次々と流出」していると指摘した上で、「決して、好まし い環境にあるとは思えない」とコメントした。

昨年8月に辞意を表明したルノーの当時の最高執行責任者 (COO)のカルロス・タバレス氏は、ゴーン氏に自身の権限拡大を要 求したが、はねつけられたことがブルームバーグの取材で分かってい る。

事業に痛手

パーマー氏は昨年11月、日産がCOOポストを廃止して3つの役職 を新設した際に、その一つのCPLOに就任した。購買・生産・研究開 発などを統括するチーフ・コンペティティブ・オフィサーには西川廣人 氏、また商用車やダットサン事業を担当するチーフ・パフォーマンス・ オフィサーにはトレバー・マン氏が就任している。

インテリジェンス・オートモーティブ・アジアのアシュビン・チョ ータイ氏は「パーマー氏は日産経営陣の中核を担う存在で、多くの事業 を統括していた」と述べた上で、「パーマー氏の退任は大きな痛手とな るだろう」と述べた。

ゴーン氏は2日の発表文で、クラン氏が「自動車業界とルノー・日 産アライアンスの豊かな知識と長年の経験を生かし、大きな貢献をして くれるでしょう」とコメントした。6月の株主総会では、日産は日本に 拠点を置く「グローバルな会社」とし、報酬は人材を引き付ける武器で あり、「壁であってはいけない」との考えを示していた。

人材流動化

日産で広報を担当するジェフ・クルマン氏は、自動車産業の人材流 動化は進んでいると指摘した上で、「日産も同様に優秀な人材の採用に 成功してきている」と述べた。自身も独フォルクス・ワーゲン(VW) グループのアウディ部門から移籍してきている。

日産・広報担当のクリス・キーフ氏は「パーマー氏の退任が日産の 事業に影響することはない」と述べ、「われわれの組織体制は揺るぎな いものであり、中期経営計画達成に向けた成長戦略に変わりはない」と 電話取材にコメントした。

日産は16年度までの中期経営計画「パワー88」で営業利益率8%を 目指しているが、日中関係の悪化で中国販売に影響が出た13年3月期、 さらに翌期も業績予想を下方修正していた。中期目標の利益率は変更し ていない。

高木証券の勇崎聡投資情報部長は、投資家は人材流出が続くことに 不安感を覚えてはいるが、ROE(株主資本利益率)などの指標をみる 限りでは経営そのものに不安はなく、人材流出による市場への影響は限 定的だろうとコメントした。

日産の株価は3日、前日比0.9%高の1016円で取引を開始し、小幅 高で推移している。

--取材協力:Mathieu Rosemain、Tommaso Ebhardt、Chris Reiter.

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