S&P500種のバリュエーションに異変-銘柄選別の動きが低下

S&P500種株価指数は最も多様な 銘柄を組み込んだ米国株指数の1つだが、その構成銘柄はあたかもクロ ーンの集まりの様相を呈し始めている。

S&P500種がこの3年間、ほぼ途切れなく上昇してきた結果、過 去最高値の更新回数は2012年以降で77回に達し、無差別な買いの兆しと も受け取れるバリュエーション(株価評価)のゆがみが生じている。ブ ルームバーグのデータによると、企業規模の大きい50社の株価収益率 (PER)が異なる度合いを示す指標は過去最低付近に低下している。

投資家が割高なハイテク株やインターネット関連株を手放し、生活 必需品や公益企業などディフェンシブ銘柄の購入に動いたことで、銘柄 間の格差が縮小した。上場投資信託(ETF)を使ってボタンをクリッ クすればできてしまうことだが、買い手が優良銘柄と悪い銘柄を区別す ることがあまりにも少なく、いったん売りが始まれば相場下落が悪化す る恐れがあると、ジェンセン・クオリティ・グロース・ファンドの共同 マネジャー、エリック・ショーンスタイン氏は分析している。

同氏(ポートランド在勤)は8月28日の電話取材に対し「銘柄を積 極的に選ぶことへの関心が低下しており、市場にただ投資している。こ うした中で2008年のような状況に再び陥れば、全ての銘柄が横並びで上 昇の方向にあるだけにそろって下落する可能性が高い。実際にそうなれ ば、かなりの痛手となろう」と述べた。

収益が安定していて景気鈍化局面で資金の逃避先となってきたメル クやペプシコなどのディフェンシブ銘柄のPERは、収益の伸びが高い クアルコムやアップルといった銘柄に収れんしつつある。

ブルームバーグが1990年に集計を開始したデータによると、S& P500種で規模の大きい50社のPERは中央値からのかい離が平均22% 程度と、これまでで最も小幅な水準近くにある。

ベアリング・アセット・マネジメントのマルチ資産配分責任者、ヘ イズ・ミラー氏は8月27日の電話インタビューで「理論的には株価が同 じように評価されるはずはない。正常でも持続可能な状態でもない」と 語った。

原題:Identity Crisis Hits S&P 500 as Valuations Narrow to Near Record(抜粋)

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