ドラギ発言で期待高まるECB量的緩和、実現には多くの障害

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁が量的緩和に踏み切るまでの道には多くの障害がありそうだ。

ドラギ総裁は大規模な債券購入を検討していることを示唆したが、 3カ月前に発表した措置との矛盾や、政治的課題と法的問題の障害をど う克服するかという疑問が生じている。今週フランクフルトで開催され るECB政策委員会では、デフレに近づくユーロ圏経済をどのようにて こ入れするかといった複雑な議論に、こうした要素がさらに加わること になる。

ノムラ・インターナショナルや伊ウニクレディトなどの金融機関に よれば、ドラギ総裁が先月、米ワイオミング州ジャクソンホールで開か れたシンポジウムで物価見通しの悪化を警告して以来、量的緩和の確率 が高まっているという。ただ、こうした思い切った措置が直ちに実施さ れると予想する向きは少ない。

ウニクレディトのユーロ圏担当チーフエコノミスト、マルコ・バリ 氏(ミラノ在勤)は、「ECBは現段階では追加刺激策を時期尚早と考 えているだろう」と述べ、「ドラギ総裁はインフレ期待に大いに注目し ている姿勢を市場に示す発言を強めている。本格的な量的緩和の確率は 高まっているが、最後の手段であり、依然として高いハードルがある」 と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、ECBが 今月4日の政策委員会で政策金利を過去最低水準に据え置くと予想した のは55人中50人。残り5人はECBが政策金利を0.1ポイント引き下 げ0.05%に、中銀預金金利も0.1ポイント引き下げマイナス0.2%にする との見通しを示した。

量的緩和が近づいているとの観測から株・債券相場は上昇している が、エコノミストは性急に動かないよう警告している。ノムラのシニア エコノミスト、ニック・マシューズ氏は、ユーロ圏で年内に量的緩和が 実施される確率は総裁発言前の25%から30%に上昇したにすぎないと言 う。

今週のECB利下げを予想する同氏は、資産担保証券(ABS)購 入プログラムが12月までに発表されるとみているものの、「量的緩和が 必要もしくは適切だとはまだ見なされていない」もようだと指摘した。

原題:Draghi Price Warning Signals Debate Ahead on QE Obstacle Course(抜粋)

--取材協力:Kristian Siedenburg、Alessandro Speciale、Stefan Riecher.

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