【今週の債券】長期金利0.50%中心か、フラット化で30-40年債に魅力

今週の債券市場で長期金利は0.50% 中心の推移が予想されている。一方、利回り曲線はフラット(平たん) 化しやすく、30年-40年ゾーンに魅力があるとの見方が出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが8月29日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レン ジは全体で0.48-0.55%となった。前週末終値は0.49%。

前週の長期金利は28日に0.485%と2013年4月8日以来の低水準を 付けた。日本銀行の国債買い入れオペで需給が逼迫(ひっぱく)する 中、欧州や米国の10年債利回りが低下したことが買い材料となった。

パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長は、「投 資妙味があるのは金利があまり下がっていない30年から40年セクター」 と指摘。「9月は国債の大量償還を控えている上、欧米金利低下の影響 や中間期末を控えて生命保険が国内債に資金を戻す可能性もある」と説 明した。

日本銀行は9月3、4日の日程で金融政策決定会合を開催する。今 回の会合でも金融政策の据え置きが予想されている。一方、欧州中央銀 行(ECB)は4日に金融政策理事会を開く。市場ではユーロ圏の景気 低迷を背景に追加緩和観測が根強い。ノバスコシア銀行傘下のスコシア バンクのトレーダー、アリ・ジャライ氏(シンガポール在勤)は、「4 日にECBから何か出てくると見込んでいる。市場はそのように動いて いる」と話した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、日銀会合について、 「景況判断を上方修正し、追加緩和から距離を置く」と予想する。10年 債は日銀緩和後のピークに近く、上値余地が小さいとし、「消去法的に 超長期債にキャリー(金利収入)を求める資金が流れ込みやすい。米利 上げ期待の前倒しによってドル高が顕著に進むようでないと、フラット 化が続きやすい」とみる。

10年債入札

財務省は2日に10年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率 (クーポン)は前回の334債から0.1ポイント低い0.5%となる見込 み。0.5%で決まれば過去最低の2003年6月に並ぶ。発行額は前回債と 同額の2兆4000億円程度。

5日には流動性供給入札が実施される。投資家需要の強い既発国債 を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存期間15.5年超から39年未 満となる。発行予定額は3000億円程度。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年債利回りの予想レンジ は以下の通り。

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長

先物9月物145円95銭-146円35銭

10年国債利回り=0.48%-0.54%

「金利は引き続き低下方向にあるとみている。4月以降の国内経済 が想定以上に悪化している上、海外の景気をみても米国を除く欧州や中 国、東南アジア諸国などの景況感が悪化している。ECBが4日の理事 会で追加金融緩和を見送っても緩和期待は残り続けるだろう。10年債入 札は償還が延びて新しい回号となり、利回り水準が少し上がる分だけ買 いやすくなり、相応の投資家需要を集めそうだ」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物9月物145円90銭-146円60銭

10年国債利回り=0.48%-0.55%

「引き続き海外市場の金利や株価をにらみつつ、国内債相場は底堅 い展開とみている。ドイツの長期金利が0.9%を割り込んでおり、欧州 債券市場の動向につられそうだ。ECBについては、ドラギ総裁の先 月22日のジャクソンホールでの発言などから追加緩和期待が盛り上がっ ている。ただ、何か行動を取るための合意には時間がかかる。どこかで 緩和に踏み切るとみられるので、それまで催促相場が続く見込み」

◎みずほ信託銀行の吉野剛仁チーフファンドマネジャー

先物9月物146円00銭-146円40銭

10年国債利回り=0.48%-0.52%

「長期金利は0.50%中心の推移か。注目イベントが多い中では新規 にポジションを取りづらく、10年債入札前後に買い持ち高を減らす動き もありそう。入札自体は新しい回号として、一定のニーズが見込まれる ものの、積極的に買い進むという状況ではない。場合によってはテール が拡大する可能性がある。ドイツなど欧州の金利低下も足踏みしそう。 週末には米雇用統計の発表も控えており方向感は出にくい」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎、Mariko Ishikawa.

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