GPIF:日本株の構成比率8年ぶり高水準、国内債は過去最低

年金積立金管理運用独立行政法人( GPIF)が保有する国内株は2014年6月末に運用資産全体の17%を超 え、8年ぶりの高水準となった。半面、国内債の構成比率は過去最低を 記録した。

GPIFが29日夕方に公表した資料によると、6月末の国内株の保 有残高は21兆9709億円。構成比は17.26%で、06年3月末以来の高さと なった。国内債は67兆9102億円。構成比は53.36%と比較可能な01年12 月末以降で最も低くかった。年金積立金の構成割合で国内債は51.91% と、四半期末ベースとしては目標値からの下限を初めて下回った。

4-6月期の運用収益は2兆2235億円で、収益率が1.77%だった。 1-3月期には安倍晋三内閣の発足以降で初の損失を計上したが、国内 外での株高などを背景に運用資産が増えた。国内株の収益額は1兆694 億円で、収益率は5.11%。国内債券は4408億円で0.72%にとどまった。 外国債券は円高による換算額の目減りもあって764億円で0.55%、外国 株式は6044億円で3.06%だった。

外債の保有残高は14兆726億円で構成比は11.06%。外株は20兆3366 億円で15.98%。両資産ともに残高、構成比の両面で過去最高を記録し た。運用資産全体の累積収益額は自主運用を始めてから13年余りで37兆 6650億円に膨らんだ。

GPIFの青木重仁審議役は会見で、国内株の構成比率が上昇した ことについて、「国内株はもともと保有していた株が時価の上昇で増え た部分もあろう」と述べながらも、具体的な理由については、コメント を控えるとした。一方、国内債については、「金利が非常に低いので、 キャッシュアウトで減っていくが、そこに投資するかは慎重な判断が必 要になる」と指摘。期中に国内債を売却したかについてはコメントを避 けた。

GPIFは金利上昇で評価損を被る恐れのある国内債の比率引き下 げと収益向上を求める圧力に直面している。昨年6月には資産構成比率 を06年の法人設立後、初めて変更した。政府の有識者会議は昨年11月、 国内債偏重の見直しやリスク資産の拡大検討などを求める提言をまとめ た。

現在の資産構成は国内債の目標値が60%、国内株は12%、外債11% 、外株12%、短期資産が5%。目標値からの乖離(かいり)許容幅は国 内債が上下8%ずつ、国内株は同6%ずつ、外債と外株は同5%ずつだ 。ブルームバーグ・ニュースが5月に実施したGPIFの資産構成見直 しに関する市場調査(中央値)では、国内債の目標値は40%、国内株 は20%と予想。外債は14%、外株は17%だった。

政府は6月24日に閣議決定した日本再興戦略の改定版で、GPIF の資産構成見直しを出来るだけ速やかに実施すると明記。GPIFの米 沢康博運用委員長は7月のインタビューで、新たな資産構成は「まだ何 も決まっていない」が、国内債が「30-50%という水準には違和感はな い」と発言。見直し結果は「秋までに公表できる見通しだ」と話した。

ロイター通信は7日、政府・与党関係者が国内債40%、国内株20% 超などで9月末にかけて調整を本格化させる見通しだと伝えた。10日付 の日本経済新聞は、GPIFが5日の運用委員会で、9月に新たな資産 割合を決めるまでの暫定措置として内外債券・株式の上下限を撤廃した と報じた。厚労省年金局の森浩太郎参事官は11日、ブルームバーグ・ニ ュースに対し、GPIFは4月1日公表した「平成26年度計画」で、資 産構成の見直しを視野に、かい離許容幅「弾力的に適用する」方針をす でに明らかにしている、と指摘した。

長期金利は6月末に0.565%と、3月末の水準に比べ7.5ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下回っていた。TOPIXは5%高い

1262.56。米国債の10年物利回りは2.53%と18.8bp下げた。米S&P 500種株価指数は4.7%上げて1960.23だった。円の対ドル相場は1ドル =101円33銭と1.8%上げた。

--取材協力:野原良明.

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