ゴールドマンがマドリードの団地大家に-スペイン投資の転換点

マドリードの南の外れ、バジェカス の団地に住むマルセリーノ・カルボ・サンチェスさんと妻のマリア・ル イサさんは、米ゴールドマン・サックス・グループが昨年に同団地を購 入するまで、この世界的な投資銀行の名前を聞いたことがなかった。元 トラック運転手のマルセリーノさん(71)は、新しい大家を歓迎してい ない。

ゴールドマンは2013年8月、289家族が入居できる同団地を購入。同 社がマドリード市から2億100万ユーロ(約275億円)で取得した3000件 の低取得者向け集合住宅物件の一つだ。市が売却したことに伴い入居者 への補助金の一部がなくなった。そして、サンチェスさんの話によると 以前は小さかった無断居住者の問題が大きくなった。

「無断居住者とは一緒に住みたくない」と話すサンチェスさんは、 「この団地はビジネスになってしまった。もはや社会プログラムではな い」と嘆く。ブルームバーグ・マーケッツ誌10月号が報じている。

割れたガラス戸や壊れた郵便受けなどが放置された同団地は、ゴー ルドマンのバンカーが選ぶとは思えないような投資先だが、紛れもなく 同行がスペイン不動産市場で狙いを定めた物件だ。代替資産運用で世界 最大手のブラックストーン・グループも13年7月、同様の低所得者向け 住宅ポートフォリオをマドリード市から1億2500万ユーロで買い取っ た

このようなスペインへの投資は投資家心理の転換を示している。ス ペインは5年にわたり海外投資家にとって手を出せない毒物のようだっ たが、今では欧州の割安な資産を求めるプライベート・エクイティ (PE、未公開株)投資会社やヘッジファンド、政府系ファンド (SWF)が最も選好する国となっている。

原題:Goldman as New Madrid Landlord Marks Investment Rebound in Spain(抜粋)

--取材協力:Macarena Munoz、Sharon Smyth.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE