アベノミクス効果息切れ、物価上昇頭打ち-消費支出減る

7月の国内経済指標はアベノミクス 効果の息切れが鮮明となり軒並み軟調な数字を示した。

全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は前年比 で3.3%上昇と14カ月連続でプラスとなったものの伸び率は前月と同じ だった。家計消費支出は消費税率が8%に引き上げられた4月から4カ 月連続でマイナスとなったほか、前月急落していた反動が予想されてい た鉱工業生産指数でも前月比伸び率が市場予想を下回った。

4月の消費増税後の消費支出の弱さが裏付けられたことから、日銀 に対し追加緩和を検討するよう求める声も強まる情勢だ。黒田総裁は1 日、物価目標に関連して「見通しが下振れ、2%達成に必要ならちゅう ちょなく調整を行う」と述べている。

麻生太郎財務相は同日の閣議後会見で、消費支出の落ち込みについ て、「悪天候などの影響もある」とし、消費増税後の反動減は和らぎつ つあるとの認識を示した。

総務省が発表した家計調査によると、実質消費支出は前年同月比 で5.9%減となり、6月の3.0%減から一段とマイナス幅が拡大した。 SMBC日興証券は統計発表後のリポートで「7-9月の消費回復に向 けては厳しい滑り出し。非耐久財の低迷が誤算だ。家計は恒常所得が落 ちると考え、必需品の消費行動を変化させた」と分析した。

コアCPIに関しては、大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは 発表後のリポートで「これまで押し上げてきたエネルギーに関し て、2012年秋以降の円安を背景とした輸入価格上昇による押し上げ効果 はおおむね一巡した」とみている。

鉱工業生産を発表した経産省は「総じてみれば、生産は弱含みで推 移している」との判断を据え置いた。SMBC日興証券の宮前耕也金融 経済調査部シニアエコノミストは「生産の低迷が確認され、7-9月期 の反発力は小さくなりそうだ。増税前の駆け込みの動きは97年当時とさ ほど変わらないので、足元の生産の弱さは反動減を超えた需要の弱さを 示唆しよう」との見方を示した。

総務省が発表した完全失業率(季節調整済み)は3.8%と、前月 の3.7%から上昇し2カ月連続で悪化した。厚生労働省が発表した有効 求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、前月から横ばいとなり上昇傾向が 一服した。

--取材協力:下土井京子.

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