自民・西川対策委員長:TPP関税交渉は米国が譲歩すれば終わる

自民党の西川公也衆院議員は、環太 平洋連携協定(TPP)で焦点となっている日米の農産物などの関税交 渉は米国が譲歩すれば合意に達するとの認識を示した。西川氏は同党の TPP対策委員長。

28日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。西川 氏は関税交渉について、米国が日本の立場に「理解を示してもらえば終 わる」と指摘。「日本はこれ以上譲歩できない」と言いつつも、合意は 「当然可能だ」と語った。交渉全体が滞るとしてTPPから日本が外さ れる可能性は「ないと思う。外されたら金輪際入らない」とも述べた。

知的財産保護などルール分野の交渉については、来週ハノイで開か れる首席交渉官会合で交渉官レベルの協議はまとまるとの見方を示し た。その後の閣僚会合は、11月のアジア太平洋経済協力会議 (APEC)に合わせて開催される可能性を指摘した。

TPPは妥結すれば、米国史上最大の貿易協定となる。世界経済 の39%を占める、年間生産高28兆ドル(約2900兆円)に上る地域間での 協定だ。日米以外の参加国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チ リ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール とベトナムだ。

TPPを担当する甘利明経済再生相は29日、閣議後の記者会見で、 日米の関税交渉は9月下旬に閣僚レベルでまとまっているのが理想、と の見解を示した。

豚肉

全米豚肉生産者協議会(NPPC)は14日、TPP交渉で日本の豚 肉関税を撤廃するよう求める書簡を米通商代表部(USTR)のフロマ ン代表とビルサック農務長官に送った。書簡は、日本の関税制度は豚肉 の値段をつり上げ、日本の豚肉生産会社の国外移転を促していると説 明。日本は豚肉に、安い輸入肉ほど関税を重くする「差額関税制度」を 適用している。

西川氏は豚肉の関税について「撤廃しない」と明言。米国は世界最 大の豚肉輸出国で、日本は世界最大の豚肉輸入国だ。

西川氏は関税を撤廃した際、「米国や日本のように人件費の高い国 では農業が立ちいかなくなる」と話す。小麦、牛肉、コメなどの品目で 米国はオーストラリアや東南アジアに勝てないと指摘し、現行制度によ って米国もメリットを享受していると主張。「そこはフロマンさんも分 かっている」と語った。

党内調整

西川氏は東京農工大卒の71歳。世界貿易機関(WTO)交渉でも党 事務局長を務め、昨年2月に安倍晋三首相から直接、TPP対策委員長 に指名された。その際、「党内の意見を集約してくれ」と託されたとい う。

農水族議員でもある西川氏は、TPP交渉について「日本の農家に 対するメリットはない」と言い切る。それにも関わらず交渉を推進する 理由については「経済連携が世界の貿易の主流になる。その時に日本だ けやらなくていいのか」と指摘する。

党内の反対派の説得は「なかなか難しい」ともらすが、「なぜ心配 しているのか読み取り、こたえてやることだ」と話す。今後の交渉にあ たっては「合意に向かって一生懸命取りまとめに奔走する」と語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE