ドル・円は103円後半、米景気期待がドル下支え-ウクライナ情勢警戒

東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=103円台後半で推移。前日に米国で発表された4-6月の実 質国内総生産(GDP)改定値が市場の予想に反して上方修正されたこ とがドルの下値を支えた。

午後3時31分現在のドル・円相場は103円79銭付近。前日の海外市 場ではウクライナ情勢の緊迫化を背景に一時103円56銭と、22日以来の 水準までドル安・円高が進む場面も見られた。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、週末にウクライナ情 勢が激化するリスクが意識されやすく、日本を含めた世界の株式市場の 軟調地合いを背景にドル売り・円買い圧力がかかりやすいと指摘。た だ、「米国のGDP改定値が上方修正されたことなどを考えるならば、 米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)改善期待は引き続き 根強い」とし、週明けには再びドルの上値を試す展開になる可能性があ るとみる。

28日に発表された4-6月の米実質GDP改定値(季節調整済み、 年率)は前期比4.2%増と、速報値の4%増から上方修正された。ブル ームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では3.9%増(中央値)への 下方修正が見込まれていた。先週の新規失業保険申請件数(季節調整済 み)も発表され、前週比1000件減の29万8000件と、市場予想の中央値30 万件を下回った。

北大西洋条約機構(NATO)当局者によると、ウクライナの親ロ シア分離派による反撃はロシア軍が企てたもので、ロシアは兵士1000人 以上をウクライナ領内に配置し高性能兵器を操縦させ、分離派に助言さ せている。

経済指標見極め

朝方に発表のあった7月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮 食品を除いたコアが前年比で3.3%上昇と、伸びは前月と同水準だった 。日銀の試算に基づいた消費税増税の影響を除いたベースでは、1.3% 上昇と、伸びが同じく横ばいだった。

IG証の石川氏は、CPIの結果は特に日本銀行の追加緩和観測に つながる材料にはならなかったと指摘。ただ、日本のGDP弱含みを背 景に「年内に追加緩和に踏み切るのではないかと言う思惑も再び市場の 一部で出始めている」と言い、緩和観測が強まって日本株が上昇すれ ば、円安が進む展開もあり得るとみている。

この日はユーロ圏で8月のCPI、米国では7月の個人消費支出( PCE)などの発表が予定されている。

石川氏は、ユーロ圏のCPIが市場の予想を下回った場合は、「デ ィスインフレ懸念が再び強まることによって、次回のECB会合への緩 和警戒感につながる可能性がある」と指摘。その上で、米国との金融政 策の方向性の違いが意識され、「ユーロ・ドル相場は目先のサポートポ イントになっている1.3150ドルを下方ブレークして、1.3100ドルの節目 をトライしてもおかしくない」とみる。

ユーロ・ドル相場は27日に一時1ユーロ=1.3153ドルと、昨年9月 以来の水準までユーロ安が進んだ後、1.32ドル台を回復していたが、再 び1.31ドル台後半に水準を切り下げている。

--取材協力:大塚美佳.

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