「3800億ドルの男」は債券バブル恐れず、チキンゲームは続く

バブルを警戒する債券投資家の心配 はいずれ現実になるだろう。しかしとりあえず今は、ジャンク債を買っ ておきたいという気持ちのようだ。

JPモルガン・アセット・マネジメントで3800億ドル(約39兆4100 億円)の運用を監督する最高投資責任者(CIO)のボブ・マイケル氏 は、このような考え方で市場に接している。投機的格付けを付与された 債券の利回りが過去最低に近づいているというだけでは、ジャンク債を 敬遠する理由にならないと言う。

同氏は26日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、バ ブルはいつかは来る」と指摘。しかし欧州では利回りマイナスとなりそ うな今の状況では、現金を抱え込むか米資産でゼロ%のリターンに甘ん じるしかなく、何らかの債券に投資せざるを得ないと言う。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャンク債市場は 泡状になってきたと示唆したにもかかわらず、マイケル氏のようにジャ ンク債に価値を見いだす人は他にもいる。バンク・オブ・アメリカ・メ リルリンチの指数によれば、7月の米ジャンク債リターンはほぼ1年ぶ りのマイナスリターン(1.3%)だったが、8月にはもう1.5%のプラス に戻している。

利回りがこれほど低いのは、多少規模を縮小したとはいえ米金融緩 和策が今なお前進しているからだ。だからパーティーはまだ終わってい ない。何を急いで退出することがあろうか。

ゴルディロックス経済、米金融当局は市場の親友

もちろん比較的信頼性が低い債券投資に飛び込むのは気が引けるだ ろう。BOAメリルリンチの指数によると、ジャンク級の債券の利回り は5.9%。過去最低を0.2ポイント上回っている程度だ。つまり投資で挙 げ得るリターンは過去の平均に比べて非常に低いということだ。

今年の1月まで米パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)の最高経営責任者(CEO)を務めたモハメド・エラリ アン氏は先週のインタビューで、「離陸するには弱いが、かといって崩 れるほどでもない、この居心地の良いゴルディロックス経済に誰もが誘 い込まれている。市場には米金融当局という親友がいて、すべてのリス ク要因をレバレッジしても平気になっている」と指摘。「みなが同じト レードに賭けている。センチメントが変わったら、金融システムには衝 撃を吸収する機能がない」と述べた

全員が出口に殺到する少し前にこっそり抜け出せるタイミングをど こまで先延ばしできるか。今の市場はチキンゲームと言ってよかろう。 あるいはFRBと戦ってはならないという教訓が生かされる一例かもし れない。米金融当局はかなりの期間にわたって低金利を維持すると約束 しているのだから。

マイケル氏は「バブルは大抵の場合、金融引き締めの最後の方、シ ステムから流動性を引き揚げたあたりに見られる」と述べた。

まだそれは起きていない。だから、今はゲームが続いている。

原題:JPMorgan’s $380 Billion Man Won’t Let Bond Bubble Slow Him Down(抜粋)

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