日本株は続落、地政学リスクや国内景気懸念-輸出や不動産など安い

東京株式相場は続落。ウクライナ情 勢の悪化や国内景気の不透明感から、自動車など輸出関連、不動産や建 設、小売などを中心に売られた。市況安を受けた非鉄金属株も安い。

TOPIXの終値は前日比2.77ポイント(0.2%)安の1277.97、日 経平均株価は35円27銭(0.2%)安の1万5424円59銭。

プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は「7月 は日本の雇用が増えておらず、賃金も上昇していないため消費が伸びて いない。個人消費のもたつきは生産が伸びない要因」としたうえで、 「日本株が一気に上がれないのは今・来期の企業収益に対する確信が持 てないため」と述べた。

ウクライナのポロシェンコ大統領は28日、同国への事実上のロシア の「侵攻」に対し防衛を強化すると表明した。オバマ米大統領はロシア を非難するとともに、米国と欧州の同盟国がロシアに圧力をかけるため 追加制裁を協議していることを明らかにした。きのうのニューヨーク外 国為替市場では、ドル・円相場は一時1ドル=103円50銭台と4日ぶり の円高水準となった。

「ウクライナ情勢は停戦前の陣取り合戦の意味合いで、事態をエス カレートさせようというものではない。ただし、事態悪化の懸念がある のは事実で、いったん様子見にはなりやすい」と、野村証券投資情報部 の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは語る。

朝方発表された日本の7月の鉱工業生産指数は前月比0.2%上昇 (事前予想1.0%上昇)、家計調査の全世帯消費支出は前年同月比5.9% 減(同2.9%減)と予想に比べて下振れた。全国消費者物価指数(除く 生鮮食品・コアCPI)は前年比3.3%上昇(同3.3%上昇)だった。

香港キムエン証券のセールストレーディング担当ディレクター、ア ンドルー・サリバン氏は「きょう発表された経済指標は日本の経済が良 くなっているという自信にはつながらない。アベノミクスが順調でない という懸念を強める」と述べた。

もっとも、取引終了にかけて下げ渋り、日経平均は終値では25日線 (1万5398円)を維持した。「復興需要や五輪関連など消費以外の日本 の内需は長期に増えていくというのがコンセンサス。北米中心に世界景 気も悪くなく、日本株は大局的には上昇局面にある」と、プリンシパル の板垣氏は話す。

28日発表された米国の4-6月(第2四半期)の実質GDP(季節 調整済み、年率)改定値は前期比4.2%増と、速報値の4%増から上方 修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 は3.9%増だった。

東証業種別33指数では鉱業、不動産、非鉄、鉄鋼、建設、証券・商 品先物取引、ゴム製品、保険など23業種が下げた。非鉄については、欧 州諸国がロシアへの追加制裁を警告したことできのうのニューヨーク銅 先物が1.5%安と4カ月ぶりの大幅安となったことが響いた。情報・通 信、パルプ・紙、その他製品、精密機器、陸運など10業種は上昇。

東証1部の売買高は概算20億5937万株、売買代金は1兆8052億円。 値上がり銘柄数は694、値下がりは949。

--取材協力:Anna Kitanaka.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE