NY外為:円が上昇、ウクライナ情勢が緊迫化で安全資産買い

28日のニューヨーク外国為替市場で は円が主要通貨の大半に対して上昇。ロシアとウクライナの緊張が高ま り、安全資産の需要が円に向かった。

円は対ドルでは上げ幅を縮小。朝方発表された4-6月(第2四半 期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正され た。ウクライナのポロシェンコ大統領が安全保障会議を緊急招集したこ とを手掛かりに円は上昇、ロシア・ルーブルは下落した。ユーロは対ド ルで11カ月ぶり安値に迫った。ドイツの8月のインフレ率は前月比で横 ばいだった。

マネックス・ヨーロッパの市場分析主任、アイメア・デーリー氏 (ロンドン在勤)は「市場はようやく休眠からたたき起こされ、リスク オフの展開となった」と述べ、「ウクライナが分離派との戦いで勝利を 望むのであれば、早急に動く必要がある。つまり、数カ月間は地政学リ スクの高まった状態が続くことになる」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.2%上昇して1ド ル=103円72銭。対ユーロでは0.3%高の1ユーロ=136円73銭。ユーロ は対ドルで0.1%下げて1ユーロ=1.3182ドルだった。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国の3カ月物イ ンプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は6.11%と、6月4 日以来の高水準だった。

ルーブルは対ドルでの主要31通貨のうち最も下げた。ポロシェンコ 大統領はウェブサイトで声明を発表し、安全保障会議で今後の対策をま とめると述べた。これに反応して円が上昇した。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらずの1027.36を つけた。

米GDP

4-6月GDP改定値は速報値から上方修正された。企業の設備投 資が大きく伸びた。米商務省によると実質GDP(季節調整済み、年 率)改定値は前期比4.2%増と、速報値の4%増から上方修正された。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 は3.9%増だった。

ブルームバーグがまとめた金利先物市場の動向によると、政策金利 が2015年9月までに引き上げられる確率は74%となっている。米国の政 策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標は2008年12月以 降、0-0.25%で据え置かれている。

ピアポイント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティー ブン・スタンリー氏は「米国は正しい方向に向かっているように見受け られるが、残念ながら欧州はどちらかといえば今のところ後退している ように感じる」と述べた。

ユーロ圏のインフレ率見通し

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は先週、カンザスシティー連 銀がワイオミング州ジャクソンホールで主催したシンポジウムで講演 し、投資家のインフレ期待が「大幅な低下を示した」と指摘した。ドラ ギ総裁は政策当局者は「中期的な物価安定を確実にするために使える措 置は全て使う」と言明した。

ブルームバーグがまとめた予想によると、29日発表されるユーロ圏 のインフレ率は8月に前年同月比で0.3%上昇が見込まれている。前月 は0.4%の上昇だった。

ドイツ連邦統計局が28日発表した8月の消費者物価指数(CPI) 速報値は前月比では横ばいとなった。欧州連合(EU)基準では前年同 月比0.8%上昇した。

原題:Yen Gains as Ukraine Tensions Prompt Safety Bid; Euro Weakens(抜粋)

--取材協力:Kevin Buckland、Kristine Aquino.

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