ゴールドマン去りNYSEに響く鐘-高頻度取引業者の支配暗示

スコット・ヌードセン氏がニューヨ ーク証券取引所(NYSE)で今週鳴らした鐘は、その日の株取引開始 を単に告げるだけでなく、NYSEの取引フロアがハイフリークエンシ ー(高頻度) 取引業者によって占拠される状況を知らせるものとなっ た。

ヌードセン氏が属するIMCシカゴは、米銀ゴールドマン・サック ス・グループからNYSEのマーケットメーク(値付け業務)を行う部 門を買収し、米携帯事業者のベライゾン・コミュニケーションズや IBM、ビザなどの有名企業を含む多数の銘柄の売買を管理する権利を 獲得した。

NYSEの売買を促進するマーケットメークはかつて生身の人間だ けの仕事だったが、高性能コンピューターを駆使する高頻度取引業者の 台頭が人々の職を奪った。IMCシカゴの参入は、バーチュ・ファイナ ンシャルとKCGホールディングスに続くものであり、高頻度取引業者 の支配は一層強まりつつある。

カリフォルニア大学バークリー校経営大学院のテレンス・ヘンダー ショット教授は、「完全な電子化と分散が進んだ市場で、伝統的な流動 性供給の担い手である銀行やブローカーディーラーのマーケットメーカ ーが、太刀打ちできない状況が示されている」と電子メールで指摘し た。

ゴールドマンのような投資銀行がマーケットメークを行う取引所の スペシャリストと呼ばれる業者に取って代わるようになったのは10年ほ ど前のことだ。高頻度取引業者がマーケットメーカーとしてNYSEの 取引フロアに進出する最近の動きは、約10年前に始まった変化の帰結 だ。技術の進歩とルールの変化が利益を圧迫し、売買高がものをいうビ ジネスに変質した株式トレーディングは、コンピューターに主役の座を 奪われた。

適者生存

ゴールドマンのマネジングディレクターで、クオンツトレーディン グ部門のグローバル責任者を務めるトッド・ホーマン氏は5月22日の発 表文で、「マーケットメークへの特化と取引所ベースのトレーディング 業務の幅広い実績」を理由に挙げ、NYSEのフロア取引に「IMCが 最もふさわしい」と述べた。IMCはフロアトレーダー15人と技術者2 人を含むゴールドマンのチームを再雇用した。

ゴールドマンは、スピア・リーズ・アンド・ケロッグの買収に伴い マーケットメーク部門を2000年に取得。同行が離脱した後、NYSEの 指定マーケットメーカーとして残る銀行は、バークレイズだけとなる。

原題:Goldman Sachs Cedes NYSE Post as Speed Traders Seize Stock Floor(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE