「イスラム国」は油田備えたタリバン-莫大な自己資金力が脅威

多数の住民に対する恐怖支配に、圧 倒的な自己資金調達力。米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリ ー氏を殺害したイスラム過激派「イスラム国」は、アフガニスタンの反 政府武装勢力タリバンが油田を保有しているような状態にあるといえ る。

米情報当局やテロリズム金融対策の専門家の分析によれば、イスラ ム国は原油販売や強奪、支配地住民への課税、密輸などを通じて1日当 たり200万ドル(約2億800万円)余りの資金を集めているとみられる。 イスラム国は現在イラクとシリアの一部を支配下に置いており、その合 計面積は英国より大きい。

海外からの寄付金に依存する他の過激派組織は制裁や外交、法執行 によって締め付けることが可能かもしれないが、イスラム国の収入源は 支配地域内が圧倒的で、その伸長を阻止しようとする各国政府は従来と は異なる対応を迫られている。

ワシントン近東政策研究所でテロ対策などを研究するマシュー・レ ビット氏は「イスラム国は恐らくわれわれが知る中で最も資金力のある テログループだ」と指摘。「イスラム国は国際的な金融システムに組み 込まれていないため」、制裁やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の 法律、銀行規制の影響を受けにくいと分析した。同氏は米財務省でテロ 問題を担当した経歴を持つ。

国際テロ組織アルカイダの指導者だったウサマ・ビン・ラディン容 疑者は裕福な家庭で生まれ育ち、海外の支援者のネットワークを築いて いた。当局は同容疑者の資金源を絶つ措置を講じた。

米情報当局者が匿名で語ったところによると、イスラム国も他地域 から寄付金を受け取っているが、強奪や誘拐、強盗、原油の密輸などの 収入と比べると見劣りする。

原油販売収入

自己資金調達力を備えた武装組織がこれまでになかったわけではな い。タリバンはアヘンや鉱物、木材などの密輸で収入を得ている。コロ ンビアの反政府組織コロンビア革命軍(FARC)はコカイン輸出で、 フィリピンのイスラム原理主義過激派アブサヤフやイエメン・北アフリ カを拠点とするアルカイダの分派組織などは人質で多額の身代金を要求 して資金を賄っている。

こうした武装組織に関する信頼できる資金データはほとんどない。 国連の報告によると、タリバンは2011年に課税や寄付金、強奪などで約 4億ドルを集めたと推計されている。

ブルッキングス研究所ドーハセンター(カタール)のルアイ・アル ハティーブ客員研究員は電話取材に対して、イスラム国はイラク北部で 油田7カ所と製油所2カ所を、シリア東部では油田10カ所のうち6カ所 を支配していると指摘。原油販売による収入が1日当たり約200万ドル に上る可能性があると述べた。米当局者の1人は、イスラム国がここ数 年間に身代金だけで1000万ドル以上を集めた可能性があると分析してい る。

原題:Self-Financed Islamic State Now Resembles Taliban With Oil Wells(抜粋)

--取材協力:John Walcott、Mark Shenk、Anthony DiPaola.

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