スワップブームは銀行撤退の予期せぬ結果-社債投資家が不安に

9兆8000億ドル(約1020兆円)規模 の米社債市場は現在、眠ったように活気のない状態に見えるかもしれな い。しかし陰ではますます活発な動きがある。

社債投資家の間では、投資適格債を自ら取引する代わりに個別企業 の信用力に連動するデリバティブ(金融派生商品)を利用する傾向が強 まっている。バークレイズのデータによれば、この種のデリバティブの 取引高は少なくとも2011年初め以来の水準に急増し、原資産である社債 の取引高を上回るケースも多い。

これは、現物債市場では資金の投入と引き揚げを十分素早く行うこ とができないという投資家の不安を反映している。ウォール街の銀行は 債券トレーディング業務の縮小に動いており、米連邦準備制度理事会 (FRB)が6年目に入った過去最大規模の金融刺激策からの出口探し に取り組んでいることを考えると、見通しが急に変われば投資家は損失 を被る危険がある。

このようなデリバティブブームはまた、本来借り入れで資金を調達 し、潜在的な損益を増幅させる複雑な仕組み商品にトレーダーが再び深 く入り込む状況を浮き彫りにする。

バークレイズのクレジットストラテジスト、ジガー・パテル氏は電 話取材に対し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を利用す ることで、「どの債券が市場に出回っているかや、取引の頻度はどれく らいかといった条件の制約を受けないで済む」と指摘。「市場参加者 は、投資とリスクテークのための別の手段を探している」と語った。

PIMCOもCDSで恩恵

バークレイズのデータによると、投資適格級の個別企業に連動する CDSの取引高は4-6月(第2四半期)にほぼ倍増し、約9000億ドル に達した。前年同期は5000億ドルに届いていなかった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏のように巨額の資金を運用するファンドマネジャー も、CDS契約で保証の提供を約束することによって、実際に社債を購 入せずに高格付け債の好調が続く方向に賭ける投資を行い、手早く保証 料収入を得ることも可能だ。

PIMCOの四半期報告によれば、同社が運用する「トータル・リ ターン・ファンド」は4-6月に社債の損失に備える保証を提供する CDSの販売を増やした

原題:Swaps Boom Is Unintended Consequence of New Curbs on Wall Street(抜粋)

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