米国債:米独10年債利回り差、15年で最大-政策見通しの違い

米国債市場では10年債利回りの独10 年債に対する上乗せ幅が拡大し、過去15年で最大となった。米連邦公開 市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)が示している金融政 策の方向性に違いがあることが背景。

利回り差は最大で1.45ポイントに拡大した。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁は前週末、量的緩和(QE)に近づいているこ とを強く示唆した。一方、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長 は市場の予想よりも早く利上げに踏み切る可能性があるとあらためて表 明した。米財務省は26日に290億ドル規模の2年債入札を実施する。こ れを含めた今週4回の入札での発行総額は1060億ドル。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は 「欧州では何年にもわたり低利回りが続くだろう」と予想。欧米の差異 は「米国で金融引き締めの可能性があり経済が安定する一方、ユーロ圏 がデフレ環境にある限り続く」との見通しを示した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の2.38%。同年債価格(表面利 率2.375%、2024年8月償還)は6/32上げて99 30/32。独10年債利回り は0.95%。

他の主要7カ国(G7)国債に対する米国債の上乗せ利回りは79b pと、2007年以降で最大となった。年初来の最小は2月に付けた37b p。

イエレン議長

イエレン議長は22日、ワイオミング州ジャクソンホールでカンザス シティー連銀が開いた年次シンポジウムで講演し、労働市場の改善が 「予想よりも速いペースで続いた」場合は利上げが現在の想定よりも早 く実施され、追加利上げのペースも速まる可能性があると述べた。

30年債の2年債への上乗せ利回りは262bpと、2013年5月3日以 来で最小。昨年11月には367bpに拡大していた。

ブルームバーグがまとめた金利先物市場の動向によると、政策金利 が2015年7月までに引き上げられる確率は約55%となっている。1週間 前は48%だった。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏は「利回り上昇につながる材料は、欧州からの逃避という向か い風に直面するだろう」と指摘。投資家は「高い利回り」を求めている と続けた。

ドラギ総裁

ドラギ総裁も22日にジャクソンホールで講演し、ユーロ圏のインフ レ期待が「大幅な低下を示した」と警鐘を鳴らした。

通常の10年債とインフレ連動国債10年物の利回り差が一時213bp と、4月15日以来の最小となったことも米国債の支援材料。

26日の2年債のほか、27日には5年債(発行額350億ドル)と2年 物変動利付債(同130億ドル)、28日には7年債(290億ドル)の入札が 予定されている。

ブルームバーグ米国債指数によると、米国債の年初から今月22日ま でのリターンは4%。ドイツ債は6.9%、日本国債は1.9%となってい る。

原題:Treasuries Yield Most Over Bunds in 15 Years as Banks Diverge(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.

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