ECB総裁、ジャクソンホール生かし量的緩和へ駒進める

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は、量的緩和(QE)の方向へ一歩駒を進めた。

今週発表されるユーロ圏の物価統計は2009年以来の低インフレを示 すと予想されている。ドラギ総裁は米ワイオミング州ジャクソンホール でカンザスシティー連銀が主催したシンポジウムの場を利用し、ユーロ 圏のインフレ期待が「大幅な低下を示した」と警鐘を鳴らした。

インフレ期待についての発言は講演原稿にはなかった同総裁のアド リブ。「政策姿勢を一段と調整する用意がある」とした講演原稿の中で も、今までの定番の「必要になった場合は」の文言が省かれていた。

バークレイズの欧州担当チーフエコノミスト、フィリップ・グダン 氏は22日の総裁講演について、「大事件であり、ECBの言い回しの転 換点となるものだ。最近の景気動向が、次の一手として本格的な量的緩 和の可能性を高めたとみられる」と述べた。

29日発表の8月のユーロ圏インフレ率は0.3%と予想される。ドラ ギ総裁が恐れるのはインフレ期待の低下が投資家や消費者、企業の支出 を控えさせ実際のインフレ低下をもたらす負の連鎖だ。JPモルガン・ チェースのロンドン在勤エコノミスト、グレッグ・フゼジー氏は、ドラ ギ総裁のジャクソンホールでの講演は「一段の行動につながる議論の地 ならしだ」と述べた。

ECBは9月4日に次回政策委員会を開く。

総裁の発言を受けて25日の欧州市場では株が上昇、債券利回りは低 下しユーロが下落。ベルギー2年債利回りは初のマイナス圏となり、イ タリア10年債利回りは過去最低を更新。フランクフルト時間午後4時34 分現在、ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.3204ドル、ストック ス欧州600指数は0.9%高。

原題:Draghi Nudges ECB Toward Bond Buying on Deflation Risk: Economy(抜粋)

--取材協力:Jeff Kearns、Lukanyo Mnyanda.

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