債券先物は続伸、需給良好で売り込み困難との見方-円安や株高が重し

債券先物相場は小幅続伸。外国為替 市場での円安進行を受けて売りが先行した後、現物債の需給の良さを背 景にした買いなどが優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は前週末比2銭安の146円05 銭で開始し、いったんは146円03銭まで下落した。その後は水準を切り 上げ、4銭高まで上昇した。午後に株価が上げ幅を拡大すると再び下げ に転じる場面があったが、結局は1銭高の146円08銭で引けた。

バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、米連邦 準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演を受けた米国債市場で は長いゾーンの金利は上がっていないと指摘。国内市場でも「先週の円 安進行で慌てた投資家も落ち着き、押し目買い需要の強さを確認する形 となった」と説明した。「超長期ゾーンではあすの40年債入札を待ちき れずに買う動きも見られる」とも述べた。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債334回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.51%で開始 し、その後は0.505%で推移した。20年物の149回債利回りは横ばい の1.345%。30年物の43回債利回りは1bp低い1.64%と7月18日以来の 低水準。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、米国では 短中期の金利に上昇圧力が掛かり、円安を通じて国内債の売り材料と指 摘。ただ、「イエレン議長は労働市場のたるみを認識し、過度の金利上 昇懸念に至っていない」と説明した。国内債は「需給面から一段と売り 込むのは困難。長期金利は前週後半に付けた0.53%が上限となりそう」 と話した。

ジャクソンホール

イエレンFRB議長は22日のジャクソンホールでの演説で、「雇用 喪失からの回復過程で相当の進展を遂げてきた」とした上で、「労働力 の活用はなお極端に低い状態にある」と述べた。労働市場のたるみを認 識しつつも、引き続き来年の初回利上げを考慮していると市場で受け止 められた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「米国の利上げ前倒し というテーマが活きている以上、債券相場の高値更新には単に需給良好 だけでなく、それなりに強い買い材料が必要だ」と言う。

東京外国為替市場で円は一時、1ドル=104円49銭と1月下旬以来 の水準まで下落した。東京株式相場は上昇。TOPIXは前週末 比0.4%高の1291.31で引けた。

財務省は26日午前、40年利付国債の利回り競争入札を実施する。5 月発行の7回債と銘柄統合するリオープン発行となり、表面利率(クー ポン)は1.7%に据え置かれる見込み。発行額は前回債と同額の4000億 円程度。40年物の7回債利回りは1.5bp低い1.78%に低下している。

メリルリンチ日本証の大﨑氏は、「あすの40年債入札がポイント。 入札自体はやや低調でも利回り上昇局面では需要が見込める。その場合 に10年金利にはもう少し低下余地が出てくる」と話した。

--取材協力:赤間信行.

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