米国株:小反落、欧米金融当局者が発言-地政学リスクも重し

米株式相場は小反落。前日に最高値 を更新したS&P500種株価指数は5日ぶりに下げた。地政学リスクが 高まる中、欧米の金融当局者が相次いで発言した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1988.40で終了。週間で は1.7%上昇し、4月以来の大幅高となった。ダウ工業株30種平均は前 日比38.27ドル(0.2%)安の17001.22ドルで終えた。ナスダック総合指 数は0.1%上げ、2000年以来の高値を付けた。

ノーザン・トラスト(シカゴ)のチーフ投資ストラテジスト、ジ ム・マクドナルド氏は「イエレン議長は何も新しいことを示唆しなかっ たようだ」と発言。「最高値更新は最近の良好な米経済指標に支えられ てきた。米金融当局も市場に将来の利上げに向けて準備させるという点 で評価できる。景気が引き続き良好な限り、地合いは強い」と述べた。

ワイオミング州ジャクソンホールで開かれているカンザスシティー 連銀主催の年次シンポジウムで連邦準備制度理事会(FRB)のイエレ ン議長が講演した後、相場はもみ合いとなった。議長は米国では5年間 の景気回復で労働市場が改善してきたものの、労働市場にはスラック (たるみ)が残っていると指摘した。

S&P500種は前日に1992.37と終値ベースで最高値を更新した。

セントルイス連銀のブラード総裁は金融引き締めについて、米当局 者らがこれまで想定していたよりも早期に始まる可能性があるとの認識 を示した。一方、アトランタ連銀のロックハート総裁はより慎重な姿勢 を促した。

ブラード総裁は「今年想定していたよりも早い利上げに傾いている 証拠がある」と指摘。「労働市場は委員会が考えていたよりもかなり改 善した」と続けた。

ドラギ総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はユーロ圏各国政府にユーロ 圏経済を支援するためにさらなる行動を促した。

ハイマーク・キャピタル・マネジメントで運用に携わるトッド・ロ ーウェンスタイン氏は「ドラギ総裁はこれまでECBが行動する用意が あることを市場にうまく伝えてきたが、実際に行動しないと市場は脅し にすぎないと最終的には考えるだろう。ユーロ圏の状況悪化で焦燥感が あり、行動計画を望む声が強まっている」と話した。

ウクライナ情勢

北大西洋条約機構(NATO)が高性能武器がウクライナ東部の親 ロシア分離派のところへ大量に輸送されているのを目撃し、ウクライナ 近辺でロシアが地上軍と空軍を増強していることを明らかにすると、株 価は下げる場面もあった。

ウクライナ保安庁のナリワイチェンコ長官はTV5の番組で、支援 トラックを装ってロシアがウクライナを侵略していると述べた。

S&P500種のセクター別では10業種のうちエネルギーを中心に7 業種が下落した。

原題:S&P 500 Falls From Record Amid Central Bank Comments, Ukraine(抜粋)

--取材協力:Jonathan Morgan.

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