米国債:5-30年債利回り格差が09年以来の最小に

22日の米国債市場では5年債と30年 債の利回り格差(イールドカーブ)が2009年以来の最小となった。イエ レン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は労働市場のスラック(たる み)を認識しつつも、引き続き来年の初回利上げを考慮していると市場 で受け止められた。

5年債利回りは2週間ぶり高水準を付けた。イエレン議長はジャク ソンホールでの演説で、「雇用喪失からの回復過程で相当の進展を遂げ てきた」と述べた。30年債利回りは低下。ウクライナ情勢の緊迫化が影 響した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は、「イエレン議長はもう少し ハト派的な言葉を期待されていた」と述べ、「景気がこのままある程度 の拡大を示す限り、来年半ばに初回利上げが実施される可能性がある。 だから短期債に売り圧力がかかり、利回りカーブがフラット化してい る」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.66%。同年債価格(表面利率1.625%、2019年7 月償還)は1/8下げて99 27/32。

30年債利回りは3bp下げて3.16%。2年債利回りは2bp上げ て0.49%だった。

イールドカーブ

イールドカーブは3日連続でフラット化。この日は150bp と、2009年1月以来の最低となった。

ノバスコシア銀行の金利ストラテジスト、ガイ・ヘーゼルマン氏 は、「短期債では、初回利上げのタイミングを織り込もうとしている が、その時期を見極めるのに苦戦している」と述べ、「長期債では経済 成長やインフレ、地政学懸念が材料となっている」と続けた。

イエレン議長は22日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれて いるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで講演し、リセッシ ョン(景気後退)による「ダメージの深さ」を踏まえると、労働市場の 完全な回復を指摘するのは難しいと述べた。

その上で、「労働力の活用はなお極端に低い状態にある」と述べ、 7月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明に記された当局者の認識を あらためて示した。

利上げ見通し

ブルームバーグがまとめた先物市場動向のデータによると、当局 が2015年7月までに政策金利を引き上げる確率は53%となっている。19 日は48%だった。

今月発表された経済統計によると、7月は20万人超の雇用増となっ たほか、製造業の拡大ペースも加速した。さらに住宅着工件数も市場予 想を上回った。その一方で、7月の消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比0.1%上昇と、5カ月ぶりの低い伸びだった。

SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州オークス)で80億ドル 相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は、「金融当局は政策方針 を型にはめることはしたくない」と述べ、「あくまでも経済統計次第で あり、当局としては当然の姿勢だ」と続けた。

FRBが20日公表したFOMC(7月29-30日開催)の議事録によ ると、「多くの参加者」は「労働市場の改善が予想よりも速いペースで 続いた場合、近い将来に変更を迫られる可能性がある」と指摘した。

ジャクソンホールでのシンポジウムで講演した欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁は、同中銀には追加刺激策を講じる用意がある と述べた。

原題:Treasury Yield Curve at Almost Flattest Since 2009 After Yellen(抜粋)

--取材協力:Liz Capo McCormick.

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