NY外為:ドルが上昇、一時104円台-FRB議長講演に反応

ニューヨーク外国為替市場では、ド ルがユーロと円に対し上昇。対ユーロでは11カ月ぶり高値を付けた。米 連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はこの日の講演で、5年 間に及ぶ景気回復で雇用は増えたと指摘。一方で労働市場にはスラック (たるみ)が残っているとの認識も示した。

ドルは主要通貨に対し2月以来の高値に上昇。ワイオミング州ジャ クソンホールでのイエレン議長の講演は、当局が来年利上げに動くとの 観測を支持する内容となった。ユーロは下げを縮小。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁は、既に講じられている刺激措置が需要を押し 上げるとの自信を示した。ブラジル・レアルは下落。7月の経常赤字が 予想以上に増えたことが手掛かり。

RBSセキュリティーズ(コネティカット州スタンフォード)の為 替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は「市場の反 応はドルにとってプラスになっている」とし、「イエレン議長の労働市 場に対する見方がおおむねハト派寄りになっていることに、市場は非常 に慣れている。きょうの発言は特にタカ派寄りでもハト派寄りでもなか った」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対し前日比0.3% 高の1ユーロ=1.3242ドル。一時1.3221ドルと、昨年9月9日以来の高 値を付けた。対円では0.1%上げて1ドル=103円95銭。一時104円18銭 と、1月23日以来の高値となった。ユーロは対円で0.2%安の1ユーロ =137円64銭。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.1%上昇の1028.81と、2月4日以来の高水準。週間で は0.9%上昇となった。

ドラギECB総裁

ユーロはドラギ総裁の講演を受けて下げを縮小した。総裁はジャク ソンホールでの講演で、景気回復を支援する上で財政政策の役割を拡大 させるべきだとの考えを示し、ECBによる追加緩和の観測が後退し た。ECBは6月5日、下限政策金利である中銀預金金利をマイナスに 引き下げた。

インタラクティブ・ブローカーズ(コネティカット州グリニッチ) のチーフマーケットアナリスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は 「ECBが量的緩和を迫られたとしても、ユーロ圏経済の構造的な懸念 があり、量的緩和が成功するとは必ずしもいえないとの見方も一部にあ る」と述べた。

ブラジルの7月の経常赤字は60億ドルと、前月の33億ドルから拡大 した。

レアルは0.4%安の1ドル=2.2775レアル。

イエレン議長講演

イエレン議長は講演で、「米経済は、大恐慌以降で最も大きく、か つ長期にわたる雇用喪失からの回復過程で相当の進展を遂げてきた」と 指摘。その上で、「労働力の活用はなお極端に低い状態にある」と述 べ、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明に記された当局者の認 識をあらためて示した。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「イエレン議長の講演 というイベントリスクが去ったという事実を受けてドルが買われてい る」と指摘。「過度にタカ派寄りな内容ではなかった。現状維持といっ たところのようだ。同時に、早期の利上げ観測を抑えようともしなかっ た」と述べた。

原題:Dollar Rises to 11-Month High as Yellen Notes Employment Gains(抜粋)

--取材協力:Rachel Evans.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE