米連邦準備制度理事会(FRB)の イエレン議長は、米国では5年間の景気回復で労働市場が改善してきた ものの、依然としてあまりに多くの国民が失業状態にあるとの認識を示 した。

議長は22日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれているカン ザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで講演し、「米経済は、大恐 慌以降で最も大きく、かつ長期にわたる雇用喪失からの回復過程で相当 の進展を遂げてきた」と指摘。その上で、「労働力の活用はなお極端に 低い状態にある」と述べ、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明 に記された当局者の認識をあらためて示した。

イエレン議長の発言は、7月のFOMCの議事録で伝えられたメッ セージに沿った内容に思われる。議事録では、労働市場が完全雇用に近 づきつつあるとの認識を当局者らが強めつつあることが示された。ただ イエレン議長はこの日、リセッション(景気後退)による「ダメージの 深さ」を踏まえると、労働市場の完全な回復を指摘するのは難しいと し、政策当局者らは「幅広くさまざまな指標」に注目する必要があると 指摘した。

またこれまでの発言と同様に、適切な政策を行うための「単一のレ シピ」はないと説明。当局者らは「活用している政策の枠組みを明確に 示す必要性に特に注意を払っている」と述べた。

労働市場の改善と利上げ

イエレン議長は、労働市場の改善が「予想よりも速いペースで続い た」場合は利上げが現在の想定よりも早く実施され、追加利上げのペー スも速まる可能性があると述べた。逆に、完全雇用および物価安定の達 成という当局の目標に向けた進展が期待外れな動きとなった場合は、政 策は一層緩和的なものになると説明した。

この日の講演では、需要の弱さをめぐり労働市場のスラック(たる み)がどの程度関連しているかについての議論にも触れられた。

議長は「労働市場には極めて大きな構造的要因が影響している。こ れには労働力の高齢化といった人口動態のトレンド、労働市場における 潜在的なダイナミズムの度合いが変化する可能性、また中程度のスキル を必要とする職が相対的に減少する『二極化』の現象が含まれる」と語 った。

その上で、構造の変化とされる要素の一部に関しては循環的なトレ ンドも当てはまり得るとし、その理由を説明した。障害者保険申請につ いては「雇用の見通しが悪いとの認識」を反映している可能性があると 指摘。また雇用機会が弱い状況に鑑みて早期引退を招いている可能性が あり、労働力の高齢化による将来の労働参加率低下への寄与度は低くな るかも知れないと述べた。

原題:Yellen Still Sees ‘Significant’ Under-Use of Labor Resources (2)(抜粋)

--取材協力:Renee Dudley、Craig Torres.

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