米国人ジャーナリスト殺害現場の映像を見ない理由、見る理由

米国人ジャーナリスト、ジェーム ズ・フォーリー氏の殺害現場を撮影した映像を見つけたら、あなたは見 るだろうか。

既に見た人もいるかもしれない。われわれは視聴しておらず、見た いとも思わないが、見るべきだという感情もぬぐいきれない。われわれ は以前に米国人ビジネスマン、ニック・バーグ氏の殺害現場の映像を見 た。その時非常に動揺してしまったため、これまでそのような状況は避 けようと誓っていた。米国人ジャーナリスト、ダニエル・パール氏の殺 害現場の映像が公開され、今度はフォーリー氏だ。

われわれはこの映像についての意見を募った。回答の大半は否定的 なものだった。ビデオのプロパガンダ的な要素やフォーリー氏の尊厳を その理由として挙げていた。これらは完全に理解できる反応だ。

「このビデオを視聴することは人々のためにならないと思う。フォ ーリー氏が語っていることは全て強要されており、ビデオ全体がプロパ ガンダ行為だ」。大手メディアの元ワシントン特派員はこう指摘する。 このベテランジャーナリストはバーグ氏の殺害場面を職業的理由で視聴 しようとしたが、「最後まで見ることができなかった」という。

ほぼ全ての回答が「見ない」であり、多くは視聴の提案についてさ えも恐怖を抱いたようだ。しかし、個人的なメッセージの中にはこのよ うなものがあった。

「実を言うと私はこの映像を探した。なぜそのことをあなたに知ら せているかというと、フォーリー氏の勇敢さを認めたいからだ。その瞬 間だけではなく、そこに至った全てについての彼の勇気を。つまり、私 は何かを理解したいと思ったからだ」。ある女性芸術家はメッセージで そう明かした。

自らをリスクにさらす責任

これはわれわれの考えとも一致する。フォーリー氏とパール氏は命 を失うリスクを冒し、何か悪い事が起こっているという事実をわれわれ に伝えた。そしてわれわれはまだ、その問題を解決できていない。

米ボール州立大学のマーク・メッセ教授(ジャーナリズム)は20日 付の文書で「彼らは危険に直面するスリルを味わうために命をリスクに さらしているのではない。これらの稀有な個人は、人々が情報を得、啓 発されるよう、ジャーナリストとして自らをリスクにさらす責任がある と信じている」と指摘する。

ここにある従軍カメラマンについて報じた米紙ニューヨーク・タイ ムズ(NYT)の記事がある。彼は「戦争の悲惨な真実をわれわれに伝 えるために何かを行っている。遺体を持ち帰り玄関の前庭や通りに横た えることはしないが、それに非常に近いことをしている」。これは1862 年に報じられた南北戦争の従軍カメラマン、マシュー・ブレイディに関 する記事だ。

原題:Refusing to Watch Foley Video Avoids Exactly What?: Opening Line(抜粋)

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