若年失業への答え、大学に8年間-「無用の人材作る」無駄か

ヘルシンキ大学で学び始めて8年目 になるトーマ・カラヤさんは、歴史学と社会心理学、統計学に加えても う一つ専攻を増やそうかと考えている。

この6年で2回目のリセッション(景気後退)に陥ったフィンラン ドの労働市場から、27歳のトーマさんは隠れている。政府と家族の支援 のおかげで学業を続けられるが、実は本物の勤労者生活に憧れている。

「学生だと言えば、失業していると言うよりは何か有意義なことを しているように聞こえる」が、「実はあまり大きな違いはないかもしれ ない」とトーマさんは大学近くのカフェで緑茶をすすりながら話した。

フィンランドを代表する企業であるノキアの不調や製紙業の低迷に 加え、主要な輸出市場の一つであるロシア経済の減速がフィンランド経 済の足かせとなっている。さらに欧州連合(EU)とロシアがお互いに 仕掛けた経済制裁が見通しを一段と曇らせる。今や労働市場参加者の 9%を超えている失業者の1人にならないために、若者は大学にとどま っている。

経済協力開発機構(OECD)が2013年にまとめた報告書による と、フィンランドの学生は先進国中でオーストリアとオランダ、デンマ ークに次いで長く大学にとどまる。最初の学位を取得する年齢は平均29 歳で、大半が修士号まで取得するという。OECDによれば、最初の学 位取得の年齢は英国が24歳、ドイツが26歳。加盟国の平均は27歳だとい う。

フィンランドの大学は学費がかからず、政府からの生活支援や融資 も受けられるため長い学生生活が可能ではあるが、経済にとっては必ず しもプラスではないとヘルシンキの研究機関ETLAのエコノミスト、 ハヌ・カセバ氏は指摘する。労働市場への参加を遅らせる学生は、必要 とされているスキルを身に付けられないからだ。

「我が国の教育システムは経済にとって無用の人材をどんどん作り 出している」と言う同氏は、「教育に見合った職を見つけられるのは卒 業生の半分にすぎないとしたら、これは本当に無駄な投資だ」と語っ た。

原題:Eight Years of College Lets Finns Hide From Labor Market: Jobs(抜粋)

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