【コラム】今年のジャクソンホールに注目する理由-エラリアン

政治家、投資家、一般市民に対する 中央銀行バンカーの影響力がかつてないほど高まっている。政府の無策 の中で欧州と米国の景気を回復させる仕事の大半を中銀が担ってきた。 債券購入やその他の非伝統的政策によって、中銀は世界の金融市場もほ ぼ一手に支えている。

そういう訳で、米ワイオミング州ジャクソンホールに中銀バンカー が集まるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムは、注目に値す る。当局者らは少なくとも次の3点について答えを出すべきだと私は考 える。それは現在と未来の人々の幸福に不可欠だと思われる。

1.どうやって雇用を増やすか

長期失業と若年層失業は依然、先進国・地域全体での大問題だ。こ れは格差を拡大させ、成長と生活水準向上の機会を経済から奪うもの だ。米金融当局がインフレと金融不安定をあおることなく失業率低下の 取り組みを続けられるかどうかが問われている。イエレン米連邦準備制 度理事会(FRB)議長は基調講演でこの問題を取り上げるだろう。

2.中銀の政策にどの程度の力が本当にあるのか

大半の人は今でも、中銀には政策主導の成長を真の成長につなげる 能力があると信じている。しかしながら、中銀が将来の金融危機を引き 起こすことなく望ましいペースの成長を実現させることは不可能なので はないかと考える識者も増えている。恐らくこれは、経済政策をめぐっ て今日の社会が直面している疑問の中の最も重要なものだろう。

3.中銀政策の世界的影響は何か

世界の主要中銀はここしばらく政策方向の足並みをそろえてきた が、そろそろ袂(たもと)を分かつ時が来た。イングランド銀行(英中 銀)と米連邦準備制度は景気刺激のアクセルを緩めるところであり、欧 州中央銀行(ECB)と日本銀行は逆の方向にある。かい離が広がる世 界で、中銀政策は米欧日にとどまらない広範な影響を及ぼし得る。ジャ クソンホールは世界の中銀バンカーが政策の国際的影響について考察 し、腹蔵なく意見を交わすことができるまれな機会だ。(モハメド・エ ラリアン)

(モハメド・エラリアン氏は、ブルームバーグ・ビューのコラムニ ストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Why You Should Care About Jackson Hole 2014: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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