【テクニカル分析】豪ドルは0.95米ドルへ反発も、唯一200日線上維持

米ドル高がじわりと進む中で、オ ーストラリア・ドルの底堅さが目立っている。豪ドルは主要通貨で唯 一200日移動平均線を上回る水準で推移しており、短期的には7月に付 けた年初来高値に向けて反発する可能性があるとの指摘も出ている。

豪ドルは年初から対米ドルで4.3%上昇。これは主要10通貨中最大 の上昇率で、足元では1豪ドル=0.9290米ドル前後と、0.9175米ドルに 位置する200日線を1%超上回っている。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、ショーン・キャ ロー氏は、「豪中銀の金融政策見通しは豪ドルの支えになっている」と 指摘。失業率の悪化などで利下げのリスクはくすぶっているものの、 「豪中銀が再び金利を引き下げる可能性は低い」と話す。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)のスティーブンス総裁は20 日、同国経済にとって利下げよりも信頼感の改善が必要との認識を示し た。豪ドルは8日に2カ月ぶり安値となる0.9239米ドルを付けたが、そ の後反発。19日には一時約1週間半ぶり高値の0.9345米ドルを付けた。

200日線は過去200日間の終値の平均を結んだ線で、長期トレンドを 示す。ウクライナ危機や域内景気の悪化を背景に追加緩和の思惑が強ま る中、ユーロは足元、200日線を2%以上下回って推移。また、景気の 先行き不安から追加緩和観測がくすぶる円も200日線から下放れ、早期 利上げ観測が後退しているポンドも今週ついに同線を下抜けた。

クレディ・スイス・グループの指数によると、今後12カ月間に織り 込まれている豪政策金利の引き下げ幅は6ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)。先月は15bpだった。

一方、IG証券の石川順一マーケットアナリストは、豪ドルの堅調 さの背景にあるのは日米欧による金融緩和で、それが株高と米金利の低 空飛行を誘発し、リスク資産や外国為替市場では豪ドルなどに資金がシ フトしやすい状況を作っていると分析する。

石川氏は、「短期的にはイエレンFRB(米連邦準備制度理事会) 議長の超低金利政策にコミットとした姿勢がもうしばらく続くことで、 豪ドルは200日線上を維持する可能性が高く、7月に付けた高値水準で レンジの上限の0.95米ドルに向けて上昇することもあり得る」と指摘。 もっとも、米量的緩和が終了する見通しの10月以降は、米ドル高基調が 鮮明となる中で豪ドルも最終的に200日線を割り込むと予想している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE