債券は続落、円安・株高や米債安で売り優勢-先物は1カ月ぶり安値

債券相場は続落。先物は1カ月ぶり 安値まで下げた。前日の米国債相場が下落したことに加えて、円安進行 や株式相場の堅調推移を受けて売りが優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は3日続落。前日比5銭安 の145円97銭で開始し、一時は145円83銭と日中取引ベースで7月23日以 来の安値を付けた。結局は16銭安の145円86銭で引けた。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の334回債利回りは横ばいの0.515%で開始。その後は徐々に水 準を切り上げ、1.5ベーシスポイント(bp)高い0.53%と4日以来の高水 準を付けた。2年物の343回債利回りは0.5bp高い0.075%と新発として は6月以来の高水準。20年物の149回債利回りは2.5bp高い1.375%と12 日以来の高水準を付けた後、1.37%。30年物の43回債利回りも1.5bp高 い1.675%と12日以来の水準まで上昇し、その後は1.67%。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、英イン グランド銀行や米連邦準備制度理事会(FRB)から利上げが早くなる かもしれない、という内容が示されたと指摘。「外為市場では1ドル =103円台後半まで円安・ドル高が進み、株価上昇と、債券市場にとっ て売り材料が出てきている」と話した。

外国為替市場で円は一時1ドル=103円96銭と4月4日以来の水準 まで下落した。TOPIXは前日比0.9%高の1291.19で終了した。一 方、20日の米国債相場は下落し、10年債利回りは前日比3bp上昇 の2.43%程度となった。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議 事録公表を受けて利上げ開始が早まるとの観測が広がった。

議事録の影響大きい

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「来月のFOMCで 『相当期間低金利を続ける』という文言の削除・修正の期待も多少は出 てくる。実際そうなれば、フェデラルファンド(FF)金利先物は FOMCの見通しと近い利上げタイミングを織り込まざるを得なくなる ので、相場への影響は大きい」と指摘した。

イングランド銀行が20日公表した議事録によると、今月の金融政策 委員会で政策金利の据え置きを決めたが、2人が利上げを主張した。金 利をめぐる政策決定はこれまで3年余りにわたり常に全会一致だった。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは「米金利上昇や円安 は高値警戒感が広がる債券市場で売り材料にされやすい」と話す一方、 米利上げの早期化観測が「一気に高まる状況ではない」とも指摘。イエ レン議長の講演などを控えて売買は抑制気味で「現物債がどんどん売ら れる地合いではない」と語った。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額4000億円)の結果 によると、募入最大利回り較差が0.015%、募入平均利回り較差 は0.013%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は4.05倍と4 月22日の入札以来の高水準となった。

--取材協力:池田祐美.

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