米国株:S&P500種は最高値に接近-物価安定と住宅着工増

米株式相場は続伸。S&P500種株 価指数は最高値に近づいた。予想を上回る決算を背景に小売株が上げ た。インフレ圧力が引き続き抑制されていることを示す統計や住宅着工 件数の増加が買い材料となった。

米国株の時価総額は過去1カ月で7100億ドル余り回復している。国 際情勢に関する懸念を受け、主要国中銀が緩和的な政策を続けるとの楽 観が背景にある。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1981.60で終了。最高値ま であと0.3%に迫った。ダウ工業株30種平均は80.85ドル(0.5%)高 の16919.59ドルで終えた。ナスダック総合指数は4日続伸。0.4%上昇 し、2000年以来の高値となった。アップルは1.4%高の100.53ドルと終 値ベースの最高値を更新した。

マウント・ルーカス・マネジメントの社長兼最高投資責任者 (CIO)、ティム・ラデロー氏は「この強気相場を通じて見られたよ うな強さ、つまり地政学的な出来事を乗り切る能力が今週は戻った」と 指摘。「この日発表された統計は力強かったが、素晴らしいというわけ でなかった。それは本当に強い経済成長がプラス材料にならない環境で はパーフェクトだ」と述べた。

S&P500種は7日に付けた3カ月ぶり安値から3.8%戻している。 これは8営業日としては2月18日以来の大幅な上げ。7月24日には一 時、最高値を3.9%下回る水準まで下落した。ウクライナやガザ、イラ クをめぐる紛争が相場を圧迫した。

ナスダック

ナスダック総合指数は2月の安値から13%戻している。終値ベース では2000年3月31日以来の高値。

S&P500種の株価収益率(PER、実績ベース)は17.8倍 と、2010年以来の高水準近くにある。

インベスコの投資ストラテジスト、ダイアン・ガーニック氏は「バ リュエーションは短期的なベースでやや高いレンジにある。市場参加者 は結果を含め覚えていることとしか比較しない傾向があり、高いバリュ エーションにかなり敏感になっている。1998年にこの水準なら誰も気づ かなかっただろう」と述べた。

スタイフェル・ニコラスのバリー・B・バニスター氏は先日、S& P500種の年末予想を2300に引き上げ、ブルームバーグがまとめたスト ラテジスト19人の中で最も強気な予想を示した。修正前の予想は1850 で、最下位に並んでいた。同氏の新たな予想通りとなれば、S&P500 種は大晦日までに16%上昇することになる。

同氏によると、自国の経済と中央銀行の政策に疑念を抱く海外の投 資家が、米国の株を買い増す可能性があるという。

ほかの予想

ほかのストラテジストはもっと弱気だ。バークレイズのジョナサ ン・グリオナ氏は、海外市場での需要が少な過ぎるため、S&P500種 が現行水準より上昇することはないと指摘。ロイトホルトのダグ・ラム ジー最高投資責任者(CIO)は、増益率が1929年以降の通常ペースに 戻り、年率25%に近い株価上昇率は向こう10年で3%まで低下すると予 想した。

この日発表された7月の米消費者物価は5カ月ぶりの低い伸びとな った。景気が上向いているものの、物価上昇圧力は抑制されている。

世界的に需要が弱いため、企業の価格転嫁力が抑制されており、イ ンフレ率は米金融当局の目標を下回っている。

7月の米住宅着工件数は増加し、8カ月ぶり高水準となった。

原題:S&P 500 Approaches Record on Signs Fed to Keep Zero Rates Longer(抜粋)

--取材協力:Victoria Stilwell、Jonathan Morgan.

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