日本株やアジア新興国株、ドル資産に投資妙味-アライアンス・村上氏

米大手資産運用会社アライアンス・ バーンスタインの村上尚己マーケットストラテジストは、日本株、アジ ア新興国株、ドル建て資産などのリスク資産に投資妙味があるとの見方 を示した。

村上氏は、18日のインタビューで、「リスク資産は買えると思う。 日本株は出遅れており、消費増税による景気の下振れリスクも徐々に和 らいでいる。また、米利上げ時期が近付けば、ドルが対円で上昇すると 見込んでおり、ドル建て資産も良い。アジアの新興国株もポジティブ」 と説明した。

同社の3月末時点の運用資産総額は約46.8兆円。株式約9.9兆円、 債券約24.1兆円、マルチアセット約10.8兆円、オルタナティブ約1.9兆 円となっている。

村上氏は、日本経済について、4-6月の国内総生産(GDP)ほ ど悪くないと指摘。「消費は期待できないが、これで景気が失速すると は思わない。循環的な景気回復は続いている」と分析。

4-6月期の実質GDPは前期比年率6.8%減と、東日本大震災の 悪影響を受けた2011年1-3月期以来の大幅なマイナス成長となった。 一方、ブルームバーグ・ニュースの予測調査によると、7-9月期の実 質GDPは年率2.7%増加とプラス成長に転じる見込みだ。

村上氏は、年末の国内株価や長期金利は年初の水準に戻ると想定し ている。日経平均株価は2013年大納会の12月30日に一時1万6320円22銭 と07年11月以来の高値を記録。長期金利は同日に一時0.74%と13年9月 以来の高水準を付けた。

アジア株は安定

アジアの新興国株については、「アジア全体は安定している。中国 の政策対応が効いている。ここ半年でインフレ率も低下している」と指 摘した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ前議長が昨年5月、 債券購入策の縮小に初めて言及したことをきっかけにリスク回避の動き が強まり、新興国の株式・債券・為替市場は大量の資金流出に見舞われ た。

村上氏は、「米国が利上げを実施しても前回と同様のバーナンキシ ョックが起こる可能性は高くない」と述べ、アジア新興国株の上昇は続 くと見込んでいる。18日の米国債利回りは2.39%程度で推移。

日本銀行の金融政策に関しては、「今年は追加緩和をしないと予想 している。消費者物価指数(CPI)の上昇率が下がれば、追加緩和の 可能性が高まるが、まだ政策を変えるほどではない」と述べた。ただ、 4-6月期GDPを受けて、「年内に追加緩和を行う可能性は若干高ま った」とも語った。

日銀は昨年4月に長期国債の保有残高が年間約50兆円相当するペー スで増加するように買い入れを行う「量的・質的金融緩和」を導入。村 上氏は、日銀が10月に「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の公 表と併せて、来年の毎月の国債買い入れ額について新たな方針を示すと 予想する。

米利上げは来年半ば

FRBについては、「利上げは時間の問題。時期は、来年半ば」と 予想している。ドル・円相場は年末に1ドル=108円程度を想定。日米 の金融政策の方向性が違いに着目し、円安・ドル高が進めば、米国債や 米国株で為替差益が見込めると言う。

米長期金利については、利上げで3%を超えていくとしながらも、 「4%までは見ていない」と指摘。来年半ばから短期金利が上昇し始め ても、利回り曲線が平たん化して、長期金利の上昇幅は抑えられると見 込んでいる。

村上氏は1994年東京大学経済学部卒業、第一生命保険に入社。 BNPパリバ証券、ゴールドマン・サックス証券、マネックス証券を経 て、14年5月にアライアンス・バーンスタインへ移籍した。

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