米国債:下落、統計で景気改善を期待-ウクライナ交渉続く

米国債は下落。ウクライナ危機解決 へ交渉が続いているほか、今週発表される経済統計で米国の景気改善が 示されるとの観測が高まった。

10年債利回りは4日ぶりに上昇。朝方発表された米建設業者の景況 感を示す8月の住宅市場指数は、市場予想に反して上昇した。19日発表 される先月の住宅着工件数は増加が見込まれている。20日には米連邦公 開市場委員会(FOMC)議事録が公表され、22日にはイエレン米連邦 準備制度理事会 (FRB)議長がジャクソンホールで演説する。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏は、「張りつめた地政学的問題の緊張が多少緩んだ。 これに伴い米国債は騰勢を失った」と述べ、「この水準で米国債に価値 を見出すのは難しい」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上げて2.39%。同年債(表面利率2.375%、償還2024年8 月)価格は15/32下げて99 27/32。

30年債利回りは7bp上昇して3.20%。15日には3.10%と、2013年 5月22日以来の最低をつけた。

地政学リスク

先週の米国債はウクライナとロシアの緊張で上昇した。景気の弱さ を示した経済統計も米国債の買いを支えた。10年債利回りは7月31日以 来20bp近く低下した。

ウクライナ問題の解決策をめぐるロシアとフランス、ドイツ、ウク ライナの4カ国代表はベルリンで会談。ロシアのラブロフ外相によれ ば、協議は向こう数日間継続される。

イラク北部で政府軍とクルド人民兵組織ペシュメルガは、北部に勢 力を広げるイスラム過激派「イスラム国」から同国最大のダムを奪還、 米国の空爆による支援を受けて攻勢に転じている。

全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表 した8月の米住宅市場指数は55と、前月の53から上昇した。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は53だった。同指 数で50を上回ると住宅建設業者の多くが現況を「良い」とみていること を示す。

先週発表された7月の米小売売上高は前月比で変わらず、8月の消 費者マインド指数は前月から低下した。

ジャクソンホール

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「8 月に発表された経済統計は、米金融当局に軌道修正させるほど十分に強 くはない」と述べた。

イエレン議長はカンザスシティー連銀がジャクソンホールで主催す る年次シンポジウム(21-23日)で22日に講演する。同シンポジウムは 労働市場に焦点が絞られる。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのリーバス氏は「ジャクソンホ ールではあまり新しいニュースはないだろう」と話し、「イエレン議長 は自身の計画を非常に明確に示しており、当局が出来ることと言えばそ の計画をあらためて述べることくらいだ」と続けた。

先物市場動向によると、当局が2015年12月までに政策金利を0.25% に引き上げる確率は一カ月前と同じ73%となっている。

原題:Treasuries Decline on Ukraine Talks, Speculation on U.S. Outlook(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE