債券は上昇、長期金利0.5%割れ-米債高や20年債入札順調との見方で

債券相場は上昇。前週末に米国10年 債利回りが1年2カ月ぶり低水準に達したことを受けて買いが先行し、 長期金利は0.5%を割り込んだ。あす実施の20年債入札が順調になると の見方も相場を支えた。

みずほ証券の末広徹マーケットエコノミストは「今は地政学的リス クが一番の焦点であるため、日本の債券市場は米欧金利の反応を見てか ら、翌日あらためて消化する」展開だと説明。「足元の水準が適切だと の見方は少なく、高値警戒感は引き続き根強い」が、当面は低金利環境 が続く可能性が高いと予想した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の334回債利回りは前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低 い0.495%で開始し、その後も同水準で推移した。15日には一時0.495% と2013年4月8日以来の0.5%割れとなったものの、その後は0.50%に 戻して取引を終えていた。

20年物の149回債利回りは1bp低い1.345%と、新発としては昨年4 月10日以来の低水準。30年物の43回債利回りは1bp低い1.66%。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、前週末 の米国債利回りほどではないが、円債利回りも低下していると指摘。 「あすの20年債入札も好調との見方で20年債もしっかりだ」と話した。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は前週末比5銭高の146円21 銭で開始し、146円24銭まで上昇。午後は上げ幅をやや縮め、結局は6 銭高の146円22銭で引けた。前週末に1年4カ月ぶりの水準まで上昇し たことから高値警戒感が強く、日中取引の値幅は4銭にとどまった。

米金利低下

15日の米国債相場は上昇。10年債利回りは前日比6bp低下の2.34% 程度。一時は2.30%と昨年6月以来の低水準を付けた。ウクライナでの 混乱を手掛かりに安全資産の米国債への需要が高まったほか、米経済指 標を受けて景気に対する懸念も広がった。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、米金利低 下など海外で追い風が吹いており、10年債利回りの0.5%割れが定着す るかが注目だと指摘。「コスト見合いで考えると0.5%割れを買い進む のは厳しい感じもあり、保有債券の年限を長期化する選択もあるだろ う。そういう意味で20年債入札は注目で、地方銀行など銀行勢の動向が 結果を左右しそうだ」と話した。

財務省は19日午前に20年国債入札を実施する。149回債と銘柄統合 するリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.5%に据え置か れる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。

今回の入札について、山脇氏は「20年債利回りは1.35%まで低下し ているので、これより金利が高い水準で買いたいだろう。ただ、外債利 回りも低下し、投資先がないので、20年債を買う投資家もいると思う。 生命保険や銀行などの需要があるのではないか」と話した。

--取材協力:船曳三郎、池田祐美.

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